第13話 人生はチョコみたいに甘くはない
「今ビターチョコは甘くねえだろと思ったやつ、前へ出ろ前だ」
開始早々トモカズが口を開く
「お前は一体誰に向かって言っているのですか?」
博士がツッコミを入れる
「まぁ、あれだ気にすんな…そもそも何でお前らはここに居んだよ」
博士と助手はトモカズの元を訪れていた
「何でって今日はチョコをもらえる日だからなのです、ばれんたいんでえなのです、チョコを寄越すのです」
するとトモカズは
「はぁ…大体バレンタインデーっていうのは男から渡すもんじゃねえんだよ、女が渡すもんなんだよ、そんなにチョコが食いたきゃ
「どういう事なのですか?」
「女が好きな男にチョコを渡すから日だよ」
博士は助手の方を見ながら
「なら大丈夫なのです、助手は博士を一番好きなはずなのです、そうですよね助手」
しかし助手は博士から目をそらした
「何故目をそらすのですか!まさか、渡す相手が居るのですか!」
博士は助手に掴みかかった
「さ、さあ何のことでしょうか、とにかく博士図書館に戻りますよ、さあ」
助手は急いで図書館に帰って行った
「あ、待つのです助手!」
博士が後に続く
「相変わらず仲がいいなアイツらよぉ」
トモカズが呟いた
その後図書館に帰ってきた助手は何かの準備をしていた
その様子を見ていた博士は
(助手は誰かにチョコを渡すはずなのです、ならば助手の恋を見守らなければ…)
そう思いながら少し離れた場所から助手の観察を始めた
数時間後…
(助手が誰かにチョコを渡しに行く気配はなし…まさか図書館に呼んで渡すつもりなのですか?)
するとゼロが図書館に入ってきた
(ゼロが来たのです、まさかアイツが?しかし甘いものはあまり好きではないはず…おや?)
助手がゼロに近づき何かを渡した
博士は双眼鏡を取り出した
(アレは…本ですね、チョコの代わりに気持ちを伝えるつもりなのですか?)
博士が本のタイトルを見た
『オバケが怖くなくなる方法』
(子供かあああああああああああッ!確かにアイツは怖いものが嫌いなのですが!本なんか読んだって克服できるわけ無いのですよッ!というかそんな本が本当にあるのですかッ!)
さらに数時間後、今度はカズヤがやってきた
(まさかカズヤに…いやいやいやいや流石にそれはマズイのです助手、アイツはつい最近ロイヤルペンギンとそういう関係になったばかりなのですよ)
助手はカズヤにも本を渡した
『彼女といつまでも居られる秘訣』
メキッ
双眼鏡にヒビが入った
(爆ぜろ……)
その後結局助手がチョコを渡す気配がないまま夕方に…
「助手はチョコを渡しに行かなかったのです…一体誰に渡すつもりだったのでしょう…」
博士が項垂れていると
「あの博士…」
助手が声をかけた
「どうしたのです?助手」
「あの…その…コレを…」
助手は博士に箱を渡した
博士が箱を開けると中には板チョコが入っていた
「これは…」
「流石に手作りは無理だったので…」
「助手……」
ポキッ
博士は板チョコを半分に割り
「一緒に食べるのです助手」
助手に半分を渡した
「睡眠ガスが吹き出て爆発するチョコか鎌みてえなチョコ、どっちがいいか選べ」
トモカズが漆塗りに聞く
「それチョコじゃ無いですよねッ!いや悪かったですって!●纏と●裂やってて投稿が遅れたの謝りますからッ!」
右手には紫色に輝く石、左手には青みがかった鎌が握られていた
「もうめんどくせえから両方だな」
トモカズは石を投げ鎌で斬り裂いた
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます