第12話 節分の日の給食は戦場と化す
少し(?)遅めの節分ネタです
「だ…ダメだよぉ…こんな大きいのは…入らないよぉ…」
サーバルが困惑気味に言った
「オラいいから口に咥えんだよッ!」
男の飼育員が何かを無理やり咥えさせようとしていた
「無理だよぉ…こんな…こんな…」
「何してんだテメエはぁぁぁぁッ!」
ドゴォッ!
突然トモカズが飼育員に飛び蹴りを仕掛けた
「ぶべらぁッ!」
飼育員はそのまま吹っ飛んだ
「ったく、何恵方巻き食わせるだけで読者に誤解を招きそうな事すんだよ、心が綺麗な読者もいるかもしれねえんだぞ」
そう言いながら今度はサーバルの方を見た
「お前もお前だ、ったく」
今日は節分の日、そして休園日であるため周りでは恵方巻きを食べたり豆まきをしているフレンズが居た
「何が悲しくて大量の豆買ったり恵方巻きを作らなきゃならねえんだよ…たく」
トモカズは文句を言いながら見回りをする
そこへ
「仕方ねえだろ、上がそういう方針に変えちまったんだからよ」
ゼロがトモカズの肩に手を置いた、その頭には鬼の面が付いていた
「お前は結構楽しんでるようでなによりだな、随分派手にやられてるようだが?」
ゼロは頭から血を流していた
「アイツら容赦がねえんだよ…ライオンとヘラジカがよぉ…」
(どっちが多く豆をぶつけられるか勝負だライオンッ!)
(望むところだーッ!)
ゼロは二人から豆をぶつけられた時のことを思い出す
「いきなり野生解放しながら投げてきやがって…」
「お前も投げてみたらどうだ?誰かによぉ」
トモカズがゼロに豆を渡す
「投げるって誰にだよ…」
すると
「投げるなら私に投げろッ!遠慮は要らないぞッ!」
コウテイが顔を赤くしながら全速力で走って来た
ズドドドドドドドド
トモカズはどこからか取り出したガトリングでコウテイに豆を撃った
「ああッ!これが節分ッ!いいッ!もっとぉッ!ああああああああああぁぁぁッ!」
一方その頃
「何故なのだフェネック」
アライグマがフェネックに問いかける
「なんでだろうねー」
フェネックが問い返す
「なんでアライさんは出番が無いのだ?」
「アライさーんあんまりメタい話しはしない方がいいと思うよー」
「なんか今悲しい呟きが聞こえた気がしたんだが」
ゼロが静かに言った
「気のせいだろ、そろそろかばんが追加の豆を持ってくるはずだ」
そう言うトモカズの横には幸せそうな顔で寝ているコウテイの姿が
「さて、待ってる間暇だし…」
トモカズはいつのまにか手にした酒瓶の蓋を開けた
「お前、まさか今から飲むつもりか?」
「あ?別にいいだろたまにしか飲めねえんだから……お?かばんが来たみてえだ」
トモカズは遠くから来るかばんを見つけ歩き出すが…
先程撃った豆に足を滑らせ転んだ
ズコォォオオオ
その勢いで手にしていた酒瓶が手元から離れる
「チクショーッ!誰だまいた豆そのままにしたやつ!」
「いやお前だろ」
「ヒック…」
不吉な音が聞こえトモカズが見上げると…
顔を赤くし目の焦点があっていないかばんが居た…更に足元には空になった酒瓶が…
「ヒック…鬼はぁぁぁ外ぉおおッ!」
かばんは先程トモカズが使っていたガトリングに豆をつめ乱射し始めた
「「ぎゃあああぁぁぁッ!」」
冬の空にトモカズとゼロの叫び声がこだました
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