第8話 恋と変は似ているけど別物

「久しぶりに来たなぁ、何ヶ月ぶりだろ」

トモカズの息子カズヤは冬休みを利用しパークに訪れていた


「あの事件以降パークも再開している客も増えて良かった良かった……ん?」

カズヤは掲示板に貼ってある張り紙を見つけた


「PPPライブやります、ほー明日なんだ、どうせ暇だし今日は泊まって行くかな」


港から歩き出した






「はぁ…どうしてかしら…」


ここはみずべちほーにあるライブ会場……の楽屋、ロイヤルペンギンのプリンセスがため息をついた


(なんでかしら最近気分が…)


しかしプリンセスは頭を振りながら


(ダメよ!変なこと考えてちゃ!私がしっかりしないと!本番は明日、気合い入れなくちゃ!)

プリンセスは楽屋を出てステージに向かった、これから練習が始まるからだ




カズヤは

「ロッジに荷物は預けたし、ステージに行って練習の様子でも見てみるかな」

そう言いながらロッジを出た



ステージでは

「はい!イワビーそこでジャンプ!違う他の子と合わせてもっと低く!フルルはもっと高く!ジェーンとコウテイは自信を持って!」

プリンセスが声を張り上げる

そこへ

「みなさーん、そろそろ休憩にしましょう」

PPPのマネージャー、マーゲイがじゃぱりまんを持ってきた


人のマネージャーなどが居ないのはトモカズの判断である、練習などは今まで通りやった方が良いという考えらしい


「そうね、そうしましょう!」

するとフルルが真っ先にじゃぱりまんに飛びついた

「わーいじゃぱりまーん」



そして休憩を終えて練習が再開した




「さあ!次は通して行くわよ!」

曲が流れ始めた


曲が中盤に差し掛かった頃カズヤが観客席に到着した

「あ、カズヤさんお久しぶりです!」

マーゲイがすぐに気づいた


「久しぶり、いやぁ相変わらず頑張るねPPPは」


「そうですね、パークが再開してから初めてのライブですからねえ」



そう話しているうちに曲は最後の方へ


(このまま行けば明日は!)

プリンセスは成功を確信した、しかし客席を見た瞬間


(え?どうして!)

キュッ!

「きゃあ!」

ビタアアアン!

プリンセスは足を滑らせ転んでしまった

「イタタ…ごめんなさいみんな…あともう少しだったのに…ちょっと一休みしてくるわ」

そう言いながら楽屋に戻っていった



「はぁ…何やってるんだろ私…あのまま行けてれば……なのに、カズヤを見たら…」


「カズヤを見たら頭がぼーっとして、なんだかドキドキして…もしかしてこれが………変?」


「いや恋だろ」

コウテイが突っ込んだ

ガタァァンッ!

プリンセスは思わず後ずさり壁にぶつかった

「ココココ、コウテイ!どうしてここに!」


「プリンセスが心配になって見にきたんだ、やっぱりそうだったんだな」


「……ッ!気にしてなければいいんだけど、カズヤを見るとどうしても…!」


「そんなに気になるならアレをやってみればいいんじゃないか?ほら、こくはくって奴を」


プリンセスはコウテイを凝視しながら

「こく……はく?」



続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る