第5話 年明けの挨拶は大切に
「……年賀状の確認すんのがだるいんだが」
トモカズがコタツの中で愚痴を漏らす
「口より先に手を動かせトモカズ、コレも仕事のうちだ、客からも年賀状は来るんだ」
ゼロが年賀状を整理しながら言った
「大体なんで客から年賀状が来るんだよ、芸能人にファンレター送るわけでもあるまいし、そもそもなんで二人しか整理する奴が居ねえんだよ、ミライさんとか居るだろうが、なんで年始から働かなきゃならねえんだ」
トモカズはコタツに完全に埋もれた
「いいから早くやれってんだよ、こんなに来てんだから」
ドサッ!
トモカズがいる場所に年賀状を大量に置いた
「……ったくめんどくせえな…わーったよ!やりゃいいんだろ!やりゃ!」
「ったくめんどくせえ、めんどくせえ…ったく『カズヤ君は生きてますか?』生きてるに決まってんだろうが、『獣文化アタックは最大強化ネ●トで受けるとどれくらい食らいますか?』即死じゃね?」
「何さらっと質問コーナー終わらせてんだテメエ…」
ゼロは一枚の年賀状を見て固まった
「おい…トモカズ…これ!」
ゼロがトモカズに年賀状を渡す
「あぁ?なんだってんだよ……ってコイツは!」
年賀状には縄で縛られたコウテイの写真が載っていた
「年賀状って何だっけ?こんな…画面の前の良い子に見せられない写真を載せるもんだっけ?」
トモカズがゼロに聞いた
「いや、違うと思うが……」
するとゼロは別の年賀状を出した
「おいおい、今度は何だってんだよ」
そこにはサングラスをかけてタバコを吸うサーバルの姿が
『あけましておめでとう、出番を寄越せ』
「次はこっちを見てみろよ」
トモカズが年賀状をゼロに見せた
そこには口に剣を咥えたギンギツネと体に盾を付けたキタキツネの姿が
『あけましておめでとう、ブラックナイトを倒してくる』
「ブラックナイトって誰だよッ!ゲームのやりすぎだろあの二人ッ!」
ゼロが突っ込んだ
「いやいや、本気になってるのはキタキツネの方みたいだぜ、よくみろよ」
トモカズにギンギツネの方を指差した
その目からはハイライトが消えていた
「目が死んでんじゃねえかッ!そりゃそうだろうなッ!こんな事させられちゃ!」
ゼロが再び突っ込んだ
バサッ!
トモカズは遂に年賀状を投げ出した
「あぁ…
ペラッ!
トモカズは一枚の年賀状をめくった
『ヒャッハーッ!あけましておめでとうッ!今年も汚物を消毒しますッ!』
コウテイ以外のPPPメンバーとマーゲイが頭をモヒカンにし火炎放射器の様なものを手にしていた
その右下には小さく
『KEMONO DE 5PEN』と書かれていた
シュボッ!
トモカズはフレンズから来た年賀状を全て燃やした
読者の皆様あけましておめでとうございます
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます