パー護4

第1話 機械は丁寧に扱え

ピピピピピピピピピピピピピピピピ

時刻は朝6時、ラッキービーストと呼ばれるロボットから音がなる

「オハヨウオハヨウ、オキテオキテオキ……」

すると突然


バゴッ!

「うるせぇええええええ!!休みの日くらいゆっくり寝かせやがれええええええええええ!!」

トモカズがラッキーを殴り飛ばした


「ったく朝からピーピーやかましいんだよこのヤロー」

パーク再開以降トモカズは住み込みで働いていた

「ああ、まじダリィ」

布団から出たトモカズは殴り飛ばしたラッキーを拾う

「あ?なんだ目が光ってねぇ…ちっ壊れたか、まぁ量産できるし大丈夫か、なんかリボンが付いてて逆に邪魔だったしなぁ色ピンクだし」

トモカズは壊れたラッキーを袋に詰めゴミ箱に入れた


「さぁて久しぶりの休みだ、たまにはハメ外すのも悪くねえ……ん?」

外に出て歩き出したトモカズは違和感に気づく

「なんで全員ポンコツ持って深刻そうな顔してんだ?」

トモカズは近くにいた職員に聞いた

「おい、どうした?」

声をかけられた職員は


「あ、いやなんか急にラッキーが動かなくなってしまって、しかもこの個体だけじゃなくて全部動かなくなったみたいで…今、ミライさんが原因を探してます」

と答えた


「全部だぁ?おいおい何があったんだ?」

すると

「皆さーん!原因が分かりました!」

息を切らしながらミライが向かってきた

「一体何があったんですか、ミライさんよぉ」

トモカズがミライに聞く

「あれ?トモカズ君今日は休みじゃ…ってそれより原因は親機、つまりマスターが壊れたのが原因です」


「マスター?なんすかそれ」

トモカズが首をかしげる

「実はラッキーの数が増えた事で管理が難しいという事でマスターと言う個体を作ったのです、マスターを管理すればその情報が他のラッキーに飛んだり逆に他のラッキーから……てそれよりマスターを早く直さないと!」

ミライが慌てて言った


トモカズは

「直すって、そのマスターってのがどれか…」


「それなら大丈夫です、マスターには目印として尻尾にリボンが付いてるので」


それを聞いたトモカズは

「えっとぉ…ミライさん?今リボンが付いてるって…」

冷や汗をかきながらミライに聞く


「はい、そうですよ」

冷や汗をさらにかきながら

「色はまさかピンクじゃないですよねぇ」


「ピンクですよ?」


それを聞いたトモカズは無言で歩き出した、しかし

ガシッ

「どこに行くんですか?トモカズ君」

ミライがトモカズの肩を掴む


「い、いやぁ…ちょっと散歩に」


「知ってるんですね?」

ミライが笑顔になっていく

「いやぁ俺は何も…」

トモカズの顔が真っ青になっていく

「知ってるんですよね?」



トモカズは事情を説明した



「殴って壊して捨てたああああああ!!何やってるんですか!」

ゴミ捨て場にミライと向かう


「いやぁ知らなかったんですよねーそんなマスターとかー」

トモカズは明後日の方を見る

「はぁ…全く…それよりごみ収集車がそろそろ来ます!急がないとラッキーが!」

「それより新しいやつ作ればいいじゃないですか」


「新しいマスターを作るのは何ヶ月かかかるんです!」


すると

「事情はわかりました!動かなくなったボスを助ければいいんですね!オーダー了解です!」

突然現れたリカオンが並んで走る


「いや確かにそうだが時間が!」


「それなら任せてください!動かなくなったボスであんなことやこんなことを…うふふ」

リカオンが不気味な笑いを浮かべながらスピードを上げた

「おい心の声が漏れてんぞ!!ってごみ収集車が来やがった!」

反対側からごみ収集車が来るのが見えた

「あ、でもリカオンさんの方が先に着きそうですよ!」


そしてゴミ捨て場に着いたリカオンは





何故かゴミ箱の中に入った


そして


「おいこのゴミ箱蓋が開かねえぞ」

作業員が相方に言った

「開かない?しょうがねえこのまま回収だな、って重いな二人で行こう…せーの!」

作業員はゴミ箱をごみ収集車に投げ入れた

そしてそのままトモカズ達の横を走り去っていった


トモカズは無言で歩き出した

「トモカズ君?どこにいくんですか?」

「後は任せましたッ!!」

トモカズは敬礼する



「ボスなら無事ですよ!二人とも!」

二人が振り向くと


ボロボロになりながら笑顔のリカオンが立っていた


「おお!よくやったリカオン!それじゃ俺はこれで…」

ガシッ


「逃がしませんよ?今回の事は上にしっかり報告させてもらいますからねー」

笑いながらひたいに青筋を浮かべたミライがトモカズを掴んだ


「あ……」

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