第24話 ヤンデレ
(ふぅ~やっと読み終わった…。)
ホームルーム後の休み時間が終わろうとする時
理由はなんとなく分かるかもしれないが…簡単に説明すると、
俺は学校に着いてからずっと
俺はヤンデレというものを知った。
更に妹物の文庫本なので今の俺の状況からあまり笑えない話であり、
何とも言えない恐怖感が襲った。
だがしかし俺はヤンデレというものがどういうものか理解することが出来た。
まず、ヤンデレとは病んでいることの『ヤン』と特定の相手を愛することの『デレ』の合成語で相手のことを異常なまでに愛している状態のことを指す。
先行する「ツンデレ」からの派生で男性向け萌え文化を中心に
2000年代中~後半にかけて広まった。
意中の相手(多くは主人公)に対する二律背反の感情や葛藤の慢性化、独占欲の不充足等により、理性や良識、常識を欠いた状態を示す。
簡単に説明すると、
「相手への好意が強く高まり過ぎた結果、病的な精神状態になってしまうこと。
もしくはそうした精神状態」
といった意味合いの言葉である
実際に、クレランボー症候群と言う名で愛されていると妄信する精神疾患がある。
複数の創作物の感想から自然発生的に生まれた用語であるため、
人によって定義に差はあるものの、概ね以下のような解釈がなされた。
・元来の性格は普段は温厚で控えめ、または引っ込み思案でコミュ障気味。
ぼっち故に異なる意見に触れられないまま思考を先鋭化させてゆく。
・性格が災いして、自分から恋愛関係に発展させるのが苦手。
それ故に数少ないきっかけを手放すまいと必死になる。
・日常の些細な出来事から、相手を恋愛対象として意識しはじめる。
一度でも気になりだすと全てを知り尽くさないと気が済まず、
酷い場合には盗撮・盗聴・盗難等のストーカー行為に及ぶ。
・最初から発症している場合、
直接の接触がある前から既に脳内で仮想恋愛が始まっている事も。
・気を惹こうとして対象限定で世話焼きになり、さらに過保護になる。
特に女性はダメ男製造機、男性はモラルハラッサー化しやすい。
・付き合いが始まると生活の軸を完全に恋愛対象へと移行させる。
同時に相手も自分を中心とした生活を送る事を望み、共依存関係を理想とする。
・自身の人間関係が脆弱故、心配性で束縛が非常に強い。不安の種はすべて排除するというスタンスで、特に自分以外の異性(同性愛者ならば同性も)との接触は
万死に値する。
・怒りの矛先は原則として相手でも自分でもない第三者。
むしろ、実際に浮気があったとしても相手の罪は見て見ぬふりをする事も。
いわゆる「ちょろイン」との差異は、表面上は納得したとしても、
無意識の内に「病み」を進行させてゆく点である。
・自分の愛情が拒絶されたと感じると、とても悲観的になる。
その後はより表現の手段を大規模化させる場合と、
第三者に責任転嫁する場合に大きく分かれる。
・増大した「病み」が閾値に達すると発狂し
酷い場合には自他に対して凶行に走る。
そうした時の思考は「全て壊して二人だけの世界を作ればいい」
「死ねばもう心が動く事はない」といったある種の自暴自棄である。
いずれにしろ大抵は暗い結末を迎え、
そうでなくても想定通りの形で恋愛が成就する事は少ない。
見てゆくと分かるように、「ヤンデレ」は、第三者はおろか恋愛対象とすらまともにコミュニケーションを取ろうとしていない。
彼女ら彼らの言う「愛情」は独善に基づく自己陶酔に始まり、
被害妄想に基づく自己完結に終わっていく――
というものらしい。
(取り敢えず、少なくとも俺から見るとどうやら
だが、
俺はそう思いながら本を閉じ鞄にしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます