第8話 Café Camellia

「おい中也ちゅうや、バイト行こうぜ。」

放課後を告げるチャイムが鳴って間もなく勇吾ゆうごが俺に話しかけた。

俺は鞄に教科書などの荷物を入れて応えた。

「分かった…よし行こうか。」

俺は鞄を持って勇吾ゆうごと共にバイト先へ向かった。

バイト先へ向かっている途中に勇吾ゆうごが話しかけてきた。

「そういえばお前…あのひいらぎさんと付き合ってるんだって?」

俺は一瞬、驚いたがすぐに冷静になった。

(あれだけ騒ぎ立てられたら仕方ないかもな)

「実は…」

俺は勇吾に事の顛末を話した。

「まぁ大変だろうけど頑張れ」と

あっさりした返事が返ってきた。

そうこうしているうちに一つの古い小さな建物に着く。

これが俺と勇吾ゆうごが通っているバイト先『Caféカフェ  Camelliaカメリア』だ。

チリンチリン…

扉を開けるとベルの音が鳴り響く。

内装は至って普通の喫茶店で四人掛けのテーブルが5つとカウンター席が6つの、とても外見からは想像出来ないくらい広い店内だ。

一つ気になるところと言えば…ところだ。

店内にたくさん時計があるのはここの店長の趣味である。

「こんにちは」と勇吾ゆうごが挨拶する。

「こんにちは」俺も勇吾ゆうごに続いて挨拶した。

「やぁ中也ちゅうや君と勇吾ゆうご君いらっしゃい。今日も時間ピッタリ10分前だね。」と

姿は見えないが、カウンターの奧から穏やかな女性の声が聞こえる。

「早速だけど、スタッフルームに行って着替えて来て。」と言われ

俺と勇吾ゆうごは二人共、奥のスタッフルームで制服に着替えてきた。

「着替え終わったのね。」と

茶髪でショートボブの凄くが言った。

彼女は 椿つばき あや ここの喫茶店の店長で大人気のである。

彼女はでそのよしみで勇吾ゆうごと一緒にここでバイトさせてもらっている。

椿つばきさんは勇吾ゆうごの方を見て、

「よし…じゃあ勇吾ゆうご君、お客さんが来るまでレジの会計してて。」

勇吾ゆうごに指示する。

「わかりました」勇吾ゆうごは仕事に取り掛かる。

椿つばきさんは俺に紙を渡して、

中也ちゅうや君は備品や材料の数を確認して」と指示した。

「はい、わかりました」

俺も仕事に取り掛かかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る