第7話 屋上にて
俺は
彼女はこの学校では知らない人がいない程の有名人だ。
この屋上に来るまでに多くの人に見られてしまったので
多分、明日から質問攻め&陰口は勿論、彼女は教師からも人気なので教師にも目を付けられそうだ。
でも1番は
「はぁ~」
俺は明日からの地獄の日々に思わずため息をついてしまった。
「
彼女が俺の顔を笑顔で見つめながら言った。
俺は重々しく言った。
「あの…
「
と彼女は笑顔で指摘を入れた。
俺は気を取り直して
「あの
「はい」
彼女は柔らかい笑顔で応える。
俺はその笑顔に少し戸惑ったが続けた。
「これからはあまり目立つようなことはやめてくれません…」
「どうしてですか?」
彼女は一切表情を崩さず、でも先程の声より少し強めで言った。
彼女は先程の柔らかい雰囲気から打って変わって冷たい…
いや何か違う、よくわからないが重くとげとげしい?雰囲気なった。
俺はその変貌ぶりに面食らってしまった。
彼女は先程同じ口調で続けた。
「どうして、目立ちたくないのですか?」
俺は驚いた、普通ならはいかいいえで済む話なのに彼女はなぜか目立ちたくない理由を聞いてくるからだ。
「あの、君と一緒にいるのは嬉しいけど俺は周りから見ると『どうしてお前が』とあまり良い目では見られないから。」
俺はあえて1番の理由を伏せて話した。
「そう…ですか…分かりました。これからは気を付けます。」
彼女は少し俯いた。
だが俺の言い分を分かってくれたようで徐々に雰囲気が戻っていった。
「それよりもお弁当食べません?あまり時間もないですし。」
俺はこの場の空気を変えるために話を変えた。
「そうですね、中也君のために腕に縒りを掛けて作ったんですよ。」
彼女はまた笑顔を取り戻し明るく言った。
その後は彼女の作ってきたお弁当を食べた。
お弁当の中身は鶏肉の照り焼きに卵焼きにきんぴらごぼう、彩りのミニトマトとブロッコリー、ごま塩が程よくかかったご飯で至って普通だが驚くほど俺の好みにあった献立で、特に卵焼きが少し甘めで作ってあったのが良く美味しかった。
彼女は顔を赤らめながら
「美味しいですか?」
と聞いてきたので
「とても美味しいよ。特に卵焼きがいいよ。」
と返すと。
彼女はもっと顔を赤くして小さな声で
「よかった…」
と言っていてとても可愛いかった。
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