第9話 バイトにて
バイトを始めてからもう30分が経過したが…客が一人も来ない。
店長である
ボーン…ボーン…
大きな鐘の音が鳴った。
この鐘の音は店内で1番大きな柱時計が1時間ごとに鳴らしている音だ。
(もう5時か……)
俺はそんなことを考えながら掃除を続けていた。
チリンチリン…
その時、店の扉が開きベルの音が鳴った。
俺は
扉から入って来たのは金髪碧眼で俺と同じ学校の制服を着た女性だった。
「いらっしゃいませ」
俺はいつもの掛け声を言った。
すると、その女性は笑顔で可愛らしい声で応えた。
「こんにちは…
彼女は
彼女とは
「お好きな席へどうぞ」
俺は彼女に席につくように促す。
彼女は「はい」とその一言だけ言って1番奥のテーブル席に着く。
俺はその間、水を用意しメニュー表を持って彼女の元へ向かう。
「ご注文をどうぞ」
俺はテーブルに水が入ったグラスを置き彼女にメニュー表を渡す。
彼女はメニュー表を受け取ると2ページ程めくった後に
「ストロベリーパンケーキとホットコーヒーを一つずつ、
コーヒーは食後でお願いします。」
と注文した。
「かしこまりました。」
俺はそれだけ言うとカウンターの方に行き、さっきのオーダーを通した。
ふと、俺は彼女の方を見るとタブレットPCを起ち上げ何やら作業をしていた。
程よく日の当たる席に座っている彼女はとても綺麗だった。
日に当たった金髪がきらきらと光り、彼女の陶器のように白い肌と相まって
まるで高価なフランス人形のようだった。
(やっぱり綺麗だな…)
俺は素直にそう思った。
彼女は俺の学校では1番の美少女らしくファンクラブまであるくらい熱烈なファンがいる
しかし、彼女はそのことをあまりよく思ってなく、
本人は「部活や日常生活まで邪魔になるから止めて欲しい」と言っていた。
ちなみにだが一回、全校で人気投票をしたところ…
1位が
(
それぐらい彼女は人気なのだとか。
「はい、これお願い。」
と
「わかりました。」
俺はそれだけ言うと桜ちゃんのもとに運ぶ。
「お待たせしました。ストロベリーパンケーキになります。」
俺はそう言ってパンケーキが乗った皿を置いた。
「ありがとうございます!」
彼女は目を輝かせそれだけ言った。
「ごゆっくりどうぞ。」
俺はそう言って離れる。
彼女はタブレットPCをしまってパンケーキを食べ始める。
俺は奥のスタッフルームに足を運んだ。
「おい、なんで俺ばっかにやらせるんだよ。」
俺はスタッフルームの掃除をしている
実はさっき…
「
と
「だってお前…朝にも言ったけど俺と
「でも俺がレジが苦手な事、お前は知ってるだろ。だからせめてレジはやってくれ。」
俺は若干強めに言った。
「分かった、分かったやるよ」
と
「じゃあ頼むぞ」
俺はそう言い残して持ち場に戻った。
その後、
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