第2話 三ヶ月前
「前から、あなたの事がずっと好きでした。私と付き合ってください。」
4月のそよ風が吹く放課後の学校の屋上で彼女は顔を赤らめながら、俺に告白した。
彼女は、
容姿も、色白で長い黒髪が特徴的な
とてもじゃないが俺と釣り合わない人物。
特に接点がなかった彼女が俺に告白することに驚いたが、とても嬉しかった。
勿論、俺の答えは決まっていたが、告白されたことがいままで一回もなかったので
どういう表情で答えればいいか分からない…取り敢えず、俺は笑顔で応えた。
「こんな俺でよければ、よろしくお願いします。」
「う、うれしい、ありが…とう….良かったぁ…」
彼女は告白が成功したことが余程、嬉しかったみたいで声も絶え絶えで涙を流しながら
その場に座り込んでしまった。
俺はポケットからハンカチを取り出し、彼女と目線を合わせ、彼女の涙を優しく拭いた。
彼女は顔を耳まで真っ赤に染め、涙を拭いている俺の手をそっと握った。
(か、かわいい、何この仕草、可愛すぎる、俺にもついに春が来たのか)
「えっと、もういいから」
彼女は、顔を赤くしたまま手をのけて立ち上がった。
俺も立ち上がりハンカチをしまう。
二人とも言葉につまり、しばらく静かな時間が流れる…。
先に俺から話す。
「取り敢えず連絡先、交換しないか?」
「うん、ラインでいいかな?」
彼女は、さっきの時間で落ち着いたのか顔も赤みが落ち着いていた。
「いいよ、ちょっと待って。」
二人はスマホを取り出しラインを開き連絡先を交換する。
連絡先を交換し終わり、彼女は満足そうにスマホを胸に抱き笑顔を作った。
「取り敢えず今日はもう帰ろう、
お互いに家に帰って落ち着いてから連絡しよう。」
「そうだね、それじゃあ、校門まで手を繋いでいいですか?」
彼女は、赤くなりながらも笑顔で手を差し出す。
「うん、いいよ。」
俺は彼女の手を優しく握り、屋上をあとにした。
「それじゃあ、また明日。」
「うん、明日。」
二人は校門を出て軽く言葉を交わした後、学校をあとにした。
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