小林秀雄「現代作家と文体」

 筆者は昨今のリアリズムの影響により、どのように書くかよりも、どのようなものを書くかという問題ばかり考える人間が増えたと嘆く。その結果起こったのが「文体の喪失」であり、リアリズムは頽廃したがその代わりに「ルポルタアジュ文学」が流行したという。

 文体が「文章はこうやって書くのだ」と叫んでいるようだ。筆者の持つ文体が言外の言語となって文学を批評しているのである。


 私は今まで、文体というものにそこまで徹底して拘ってきたことはなかった(あるいは諦めた)。よく読んでいるのは三島由紀夫だが、私自身の文体は全体的に芥川龍之介のそれが近いようである。

 まずそこまで徹底して自己分析ができていない時点で、まだまだ半人前と言わざるを得ない(つい昨日処女作を公開したばかりだが)。自分の文学を追求していく中で、書く内容と共に書く文体も同時に意識していかねばならない。

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