第4話
皆さんこんばんは。シャロです。
パンツ一丁の男の子を預かることにした私。
母様の反対はあれど、頑張ります。
「ね、貴方のお名前は?」
「ロサ」
ポソッと言ってそっぽを向く男の子を、私は担ぎあげました。いわゆる、お米様抱っこです。なにやら、ぎゃいぎゃい言っていますが、気にせずお風呂へ直行です。
「おい魔女。僕をどうするつもりだ。この釜で煮殺すのか。」
「ちーがーいーまーす。貴方の体をぴっかぴかにして、その汗臭い体をふんわりいい匂いのする体にするのです。」
そう言って、容赦なくゴシゴシと髪を洗います。ちょっと腹が立ったので力を込めて洗います。短気なのは母様そっくりですね。
ごしごし。ばしゃん!
こうして、上から下まで磨き上げられ、ぴっかぴかで、ふんわりいい匂いのする、新生☆パンツ一丁の完成です。
…嘘です。ちゃんと服着せました。
むしゃむしゃとパンとスープを平らげていくロサ(元パンツ一丁)を横目で見ながら、薬草をゴリゴリゴリゴリと生成していきます。
「おい魔女、なんだその薬は。まさか俺をそれで毒殺するのか!?」
「違いますよ。これは坂の下のお婆さんの薬です。安眠導入剤です。あと、私は魔女ではありません。」
むしゃむしゃとサラダを頬張りながら、こっちを不思議そうに見つめてきます。
「あのおっかねぇ母ちゃん、魔女じゃん。なんで娘のお前は魔女じゃないんだ?」
「…知りません。」
そんなの、私が1番聞きたい。薬を作る手に、力が入るのを見て、ロサが何かを感じ取ったらしく、その表情に申し訳なさと、後悔の念が浮かんだ。
「そんな顔しないで下さい。もう割り切った事ですから。」
頷いて、彼は咀嚼に戻ったが、なんとなく落ち込んだらしく、前よりゆっくりとしたスピードになっていました。
私はまた、薬の準備に取り掛かかります。明日は、麓の街に降りて、お店の準備をしなくてはなりません。ついでに、薬を若夫婦に届けるのです。
拝啓 3番目のお姉様へ
預かった子は生意気ですが、悪い子ではないみたいです。
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