異世界に召喚されたら魔王サマの妻になりました

作者 高岡未来

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★★★ Excellent!!!

いやぁ読ませられる。サクサク読めるテンポの良さは言わずもがな、この小説をよくあるお料理物から完成度をもう一段上に押し上げているのはまさに菓子についての知識の確かさです。

へぇ〜こんなお菓子あるんだぁ、から、へぇ〜あのお菓子はアレからできてるんだぁ、まで、幅広く対応しているのが強い。おかげで腹が減って仕方がない。

異世界に召喚されたお菓子作り大好き現代娘が、食に対して全く興味がないズボラ魔王の飯の世話をするうち、その胃袋と心とを鷲掴みにしてゆくストーリーも素敵。男の心を掴むにはまず胃袋を掴め――その言葉は嘘ではないのだと本当によくわかります。

とにかく読むべき。決して損はさせませんから。

★★★ Excellent!!!

 菜花青空は、突如、異世界に召喚された。
 いきなり呼び出されたものの、周りの風当たりは厳しく、心細い気持ちを抱く彼女は、ひょんなきっかけでお菓子を振舞うことに。
 材料も満足に手に入らない異世界で、試行錯誤しながら作るお菓子。
 それを通じて、異世界の人々と心を通じ合わせていく。
 孤高の影を感じさせる魔王、ハディルとも徐々に心を通わせていく中、彼を取り巻く状況が、徐々に明らかになって行く。

 異世界の描写が巧みであり、少女の視点で異世界の情景が鮮やかに表現されている。また視点を切り替えることで、さまざまな人物の内心を書き起こし、すれ違いや葛藤をよく表現している。
 青空という主人公は、非常に真っ直ぐな性根で、現状を悲観することもなく、目の前の困難に対し、今、自分に何ができるかをしっかり考えて向き合っていく。そんな彼女が一生懸命作るお菓子は、文章越しでも伝わってくる温かさを感じる。
 そんな彼女がどうして、魔王の妻になるのだろうか?
 今後の展開が楽しみである。

 砂糖のように甘く、カラメルのようにほろ苦い、異世界恋愛ファンタジー。