第39話
キスの味とか、唾液の味とか、そんなのはどうでも良かった。そんなの人間だから臭いに決まってる。もちろん自分だって、歯を磨いて少しした後だから、ミントの香りを付与されただけだし、実花さんだって味見していた鍋焼きうどんの汁の味がするだけだ。
うどんの汁とミントが混ざった味なんて最悪かもしれないけど、俺たちにとっては些細な問題。なんてことはないのである。久しぶりに味わうキスは脳を痺れさせ、頭がバカんなっちゃう気持ちがよく分かる。緩急つけた動きで翻弄させたり、たまに止まっていいようにされたり、2人だけの時間を存分に楽しむ。
そろそろ立ち続けるのも疲れたでしょう、とベッドへ腰をかけた実花さんがおいでおいでと手を招く。誘われたのなら断る理由もない。心の中でいただきます、と合掌をしゆっくりと近づく。なんだかんだ実花さんも俺とのイチャイチャは好きなんだと、実感する。
心が昂まるのを感じ、側臥位で抱き合う。ほっぺたが触れ合うことで体温が確認できて、生きる喜びを知る。さすがに何回も抱き合うと、半身の制御は慣れたもので抱き合うだけで、反応しなくなったのは快挙だといえよう。
「ねぇ、このままギュッとして…」
耳元で囁くように言われてしまったら応えるしかあるまい。お互いの愛を確かめ合うように、彼女を包み込む。2人の鼓動と時計の針が進む音だけが耳に届く。その静寂が心地良くて、腕が痺れるまで抱きしめ合った。冷夏とはいえ、薄らとセミの鳴く声がちらほら聞こえる。抱きしめ合うだけでも汗を掻いてしまうほどに夏を感じていた。
「ふふ、ちょっと暑いからエアコンつけるね。これからまだ暑くなるだろうし」
含み笑いをしつつ、リモコンに手を伸ばしエアコンをつける。心地よい風が流れ垂れた汗が気化していく。
あ、実花さんの首筋にも垂れてる。舐めてあげよう。
声にならない声をあげ、再びベッドに押し倒す。この瞬間、性欲限界のスイッチが入り猛獣と化した男が女を喰う。その構図は一方的なものだった。誰だかの忠告をも忘れ、本能の赴くままに性欲を満たす。はしたない声をあげさせ、体液を噴出させる。敏感になっている箇所を執拗に攻め続け、最大まで成長させる。無駄のない動きで女体を研究していく様は、それまでの彼とは全くの別人のように思えた。
|
|
|
落ち着きを取り戻した頃には衣服が乱れ、肢体がところどころ露わになっていて、シーツには大きなシミを作り出しており、幼少期のオネショを思い出させる光景が広がっていた。夢中になって実花さんを攻めていたらいつの間にか、こんな悲惨なことに。実花さんは肩で呼吸しているくらいに、ゼェゼェ言っちゃってる。それでも顔は恍惚としており、攻め足りてなさそうだ。
前回の最後に視えていた水色の大きな塊が、実花さんの心に存在してあるように透けて視えており、性のウィークポイントが手に取るように分かる。弱いところを触ってみると、その塊はユラユラ動き、ヒビが入る。それと連動しているのか実花さんは気持ちよさそうに喘ぐ。その声に気持ちが反応して、性欲を掻き立てる。ここに性のサイクルが出来ていた。
これを参考に、色々と合わせ技を検証してみる。杯をこねくり回しながら舌を入れて口内を攪拌したり、ブツを挟んで動きながら舌を這わさせたり、杯を揉みながらおへそを舐めたりと、様々な事を試してみたら心核は各所にヒビ割れを起こしており、あともう少しで破壊することができるかもしれない。
《 破壊セヨ…! 》
既に出来上がっている実花さんは、興奮で顔を真っ赤に染めており肩で呼吸を整えていた。そんな彼女を酷使しようと、うつ伏せのまま挿入を試みた。
…衝撃だった。今まで薄い膜で覆われていた半身が、初の単身生身で調査に向かい、実花襞100%を相手にしているため、未曾有の衝動に駆られていた。生身ってこんなにも気持ち良いんだな。コンナコトして赤ちゃん作るだなんて未だに信じられないよ。わずかに残された思考でそんな事を考えるのだが、早々にブツを動かして心核を破壊する思考が、先行して顕現する。
「…ま、待っ…て! ナマは…ナマはだめぇ…!」
その叫びは次の瞬間、ナカをほじくられる音と絶頂による自身の叫びによってかき消された。それでもなお、男は自身の欲の解消のために動き続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます