第29話

……朝だ。実花さんと過ごす2日目の朝だ。となりで安らかな寝息をたてる姿には、目を奪われる。目を覚まさないように、肩までかかる茶髪を撫でる。サラサラした髪は、じっとりと汗ばんでおり微かにバニラの匂いがするだけで、ほとんどは言っちゃなんだが…ね…





「…ん、起きてたんだね」






眠そうなマナコをこすり、起き上がる。髪はボサってしまっており、普段のピシッとした彼女からは想像もつかない。




『今7時過ぎですけど、お風呂どうします?』


「身体ベタベタだから、入ろっかな。武くんも行こ」





いってらっしゃーい、と送り出すつもりでいたが、手を繋がれてしまい、そのまま2人でシャワーを浴び合うハメに。これではカンタンにあがれない気がする。






2回目の後、お互いハダカンボで寝てしまったため、着替えの手間を省いて、お風呂にやってきた。風呂が既に沸いており、側にはアダルティックなグッズがちらほら置いてある。汗を流すために来たのに、他のものまで流れちゃうぞコレ……。






実花さんが風呂椅子に腰をかけ、シャワーを浴び始める。シャワーから流れるお湯が、肌に弾けて艶の良さを整然と見せつける。朝からはさすがに刺激が強すぎるので、浴槽に入ろうと、彼女に背中を見せる。






「ちょ、ちょっと武くん、私も入るんだから、先に汗流さないとダメじゃないっ! 後ろの椅子に座ってて!」




釘を刺されてしまったので、しぶしぶ後ろの椅子に座るが、きめ細やかな背中に魅了され、追乗効果「朝」も加算され、半身は既にBINBINだ。




「ちょうど後ろにいるから、背中頼んでもいいかな?」




泡立てたボディータオルを振り向いて渡す。実花さんは俺の顔を見ているが、俺はどうしても胸の方を見てしまう…。見てはいけない、と思いつつも本能が理性と共同作業を行なってしまい、実花杯と目が合ってしまう。




「ふふっ、見過ぎだよ…」






視線を下に移され、股の間のいきり立ったブツをニヤニヤしながら顔と交互に眺める。







『そ、そんなに見ないでください…』


「えー? 私の胸も見てたじゃなーい」


『それは、不可抗力ですよー!』


「武くんのえっち…」




堂々とおっぴろげにしていた胸を手で隠す実花さん。ほっぺを赤く染めて、上目遣いで視線を交差させる。とりあえず、背中を洗いますよっと。手を伸ばし、タオルをワシワシさせる。





『…いきますよ?』


「う、うん…優しくしてね?」





泡をもこもこ作り出して、背中をなぞるようにこすっていく。その度に、ブツを刺激させるような色気ある声を出して、俺を誘惑? している。





『ヘンな声出さないでくださいよー』


「だって、激しいんだもーん。優しくしてって言ったのにー!」





お母さんにねだる娘のように、駄々っ子をこねられると、ついつい激しくこすってしまう恐れがある。まぁ、でも確かにこのタオルでゴシゴシやられたら、背中の皮剥けちゃうかもしれないね。作戦を変えよう。

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