1-4

私は自分が霊媒師である事、翼様がお父様方のせいで怨霊になっていること、そして今すぐ隣に翼くんが居ることを伝えた。


「翼が怨霊か·····僕はねそういう類の物は信じては、ないけれど君が僕らの事をからかいにきているようにも見えない。一体君は僕達にどうして欲しいんだい?」


「私の願いというよりは翼様の願いですが、貴方達に復讐をしたい·····といった感じでしょうか」


「あっはははは」


「何故笑うのですか?」


「いや、翼は本当によく勘違いをする子だなと思ってね、懐かしくてついつい笑ってしまったよ」


「勘違いとは·····?」


「もういいからっ!!」


お父様が口を開こうとした瞬間に今まで黙っていたお母様が遮った。


「今日は帰ってもらってもいいかい?ママは翼の話をあまりしたくないだろうから。」


「そう言われましてもまだ何もお聞きできていないので」


「もういいよ!ほら帰ろ。俺の話なんてしたくないんだろきっと」


「翼様がそういうのでしたら今日のところは帰りましょうか。お母様お父様、お忙しいところ申し訳ありませんでした。また後日御伺いにきます。」


事務の人にペコッと頭を下げてそのまま私たちは病院を後にした。家に帰るまで私が問いかけても翼様は何も答えなかった。


「何も収穫が得られませんでしたね。」


「うん」

やっと翼様が喋り始めた。


「何だか少し疲れてしまいましたね。なにか飲み物でもどうですか?」


「え?俺飲めるの?何も持てないし食べることも出来なかったんだけど。ってもまぁお腹は空かないし喉も乾かないけどな。」


「そうですね、確かに人間の物はもう口には出来ませんが私のところには翼様のような人が沢山来るので専用の物がございますのでお口に出来ますが飲みますか?」


「じゃあ、お願いしようかな」


私は翼様専用の飲み物を作り手渡す。


「ゴクッ。久しぶりに口にしたら凄い美味しく感じるな、元に戻ったみたいだ。ん?なんだか眠たくなってき…た…」


すっと抜け落ちた様に眠りに落ちた。私は翼様の飲み物に睡眠薬を入れていた。寝てもらっている間にすこし生きていた頃の記憶を見せてもらうために。こんな荒療治はしないのですが、お父様が言った「勘違い」そして最後に言いかけた言葉が気になったので記憶を覗かせてもらうことにした。


「失礼します。翼様の前世の記憶少し拝見させて頂きます。」


私は深く頭を下げ記憶を辿ってゆく。



ーーーーー続くーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

噂の花村さん 寺村 奏 @hender1531

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ