1-3
「え·····?」
翼様のお母様の言葉に私は凍る。どうして私が友達じゃない事がすぐに分かったのでしょうか?翼様のお話によれば家にはあまり帰ってこないのに交友関係を把握出来ているとは思いません。
「まぁ、いいでしょう。翼の事で何か?お答えできる範囲であれば答えますけど」
その言い方には少しトゲトゲしさを感じる
「あ、はい、実はですね私の元に翼様から依頼がありまして…」
「おいっ!!そんな無茶な話信じてもらえる訳ないだろ!」
「翼から依頼?不快な冗談を言うんですね。揚げ足を取りに来ただけならば帰って貰えますか?」
「いえ、本当にご依頼が来たんです。私は霊媒師をしている花村零鳴というものです。翼様は貴方たちご両親のせいで怨霊になっていてこの世をさまよっている状態なんです、ですので成仏してもらう為には翼様が満足する結末を終えると言うのが私の役目ですので。どんな家庭環境だったかなど教えてもらう必要があるのですが…」
パシンっ、部屋に乾いた音が響く。私は翼様のお母様に頬を強く叩かれていました。
「ふざけたこといわないでちょうだい!!私たちが翼に何をしたっていうの!?怨霊?そんな非現実的な事を私が信じるわけないでしょう!?」
お母様の目には大粒の涙、そして怒りで体全体が震えている。
「おっ·····おい今日はもう帰ろうぜ、こんなになったらもう手が着けられないよ。」
「あの、お母様には見えてないと思うのですが、今私の隣には翼くんが居ます。お母様は翼様の事を愛してらっしゃいましたか?」
「··········帰って」
「答えてください」
「帰ってって言ってるでしょ!?もし本当に今、翼があなたの隣にいて私達のせいで怨霊になっているのならば、私達は翼のことを愛せてなかったって事なんでしょうね。」
(ガチャッ)
「どうしたんだ?なんの騒ぎだ?」
部屋に背の高い優しそうな男性が入ってきた。よく見てみると翼様にそっくりなお顔をされている。
「親父だ…」
翼様はポツリと呟いた
「あなた·····」
「本当に何があったんだ、所で君は?」
ーーーーーーー続くーーーーーー
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