思い出の公園。黄緑色の似合う彼女の大切な人が失われた空間の遣る瀬無さ。書きかけの手紙。サクサクという雪の擬音。すべてが鮮やかに切なく伝わってきます。雪降る夜の静けさの中に閉じ込められた心の色が、春の訪れのように暖かな黄緑に再生する物語です。
とても切なくて、胸か締め付けられるお話でした。彼女が3年もの間、どんな思いで日々を過ごしていたのかと思うと、いたたまれない気持ちになりました。でも最後は少しホッとできる終り方で少し安心しましたが、やはり彼女のことを考えると心が痛みました。この先、どうなるんだろ?とドキドキしながら読みました。とても素敵な作品だと思いました。