間話 ドラゴンの生態

【ドラゴンについて】

ドラゴンとは、爬虫類(変身後は人間と同じであるため哺乳類)の大型動物である。爬虫類だが、体毛(一部の種のみ)や恒温性など、哺乳類的な特徴を持っている。食性は雑食で、植物や肉などの他、固い鱗を持つドラゴンは、岩や溶岩などの鉱物なども主食ではないが一応食べる。強大な魔法能力と身体能力を誇り、聖霊や妖精などの非生命体を除いた生態系の頂点に君臨する。

ドラゴンの分類は、大まかに分けて2つある。

〈移動手段の分類〉

・飛行竜 翼を持ち、主に飛んで移動する。多数派

・歩行竜 翼を持たず、主に歩いて移動する。少数派

〈身体の形態の分類〉

・四足翼竜 一般的なドラゴン。手足と別に翼を持つ。

・二足翼竜 翼と手が一体になっている。ワイバーンとも呼ばれる。

・二足歩竜 手と足を持つ。翼は無いが、二足歩行で速く走れる。恐竜のような見た目。

・四足歩竜 四本の足を持つ。翼は無い。四足歩行出来るが、それ程速くない。

〈竜人とは〉

竜が己の姿を人に変化させた姿。その昔、ドラゴンはその血肉や鱗、牙などの有用性から、他の種族に頻繁に襲われていた。無論、とても強い種族であったため、そう簡単には死ななかったが、圧倒的な数の差に押され、倒されてしまう者も多くいた。そして、大柄な身体とエネルギー消費によって、食糧不足もよく起きていた為、ドラゴン達はエルフの姿と魔法を参考に、肉体を小柄かつ優れた頭脳を持つ、人族の身体へ変化する方法を生み出した。やがてその種族は、竜人族と呼ばれるようになった。ドラゴンの姿と人の姿は、変化の竜魔法を使うことで自由に変身できる。竜人は、身体がドラゴンであると言う概念自体を書き換えて、その個体の特徴の全てを人間の姿に当てはめて変換し、人の姿へ変身する。そのためどちらが真の姿かと言われたら、どちらも真の姿と言う事になる。光竜族の人間の姿が、子供のような姿なのも、ドラゴンの中で光竜は、とても小さい体長であり、その特徴が反映された為である。

〈ドラゴンと信仰、畏怖〉

ドラゴンは生態系の頂点である余裕から、基本的に大らかで平和的な生物だが、趣味で集めた貴重な宝石や珊瑚、植物などを狙って盗みを働いたり、血や肉、骨や鱗、牙などを求めて襲ってきたり、住処の森を焼いたり過度に伐採したりして荒らしたりされると、流石に怒って攻撃することがある。しかし、ドラゴンの反撃にあい、親族や大切な人が殺された事に逆恨みをする者も少なく無く、凶暴な魔獣として討伐されることもあった。そして、その圧倒的な強さは畏怖に変化していき、いつしかドラゴンは、誰それかまわず他の種族を襲い、血肉を喰らい財宝を溜め込む凶暴で恐ろしい生き物と言う誤ったイメージが付いてしまった。ドラゴンは無用な争いを避けるため、ドラゴンである事を隠して暮らしたり、人の少ない秘境でひっそり暮らす者が増えた。なので、現代では本物のドラゴンを知らない無い人々が増え、おとぎ話や昔話などに出てくる、半分非現実の存在と化している。

ただ、ドラゴンに危機を救ってもらい、命や土地を助けられた者も居るため、一部の土地や種族からは信仰されている事もある。同時に、誤ったドラゴンのイメージから、若い娘の生贄や供物を捧げられたり、神事を開いて襲われないよう祈祷されたりと、疫病神のように扱われる事もあり、当のドラゴン達は頭を悩ませている。

〈神竜とは〉

長い時を生きた優秀なドラゴンが死んだとき、ごく稀に大聖霊が憑依して、生命を越えた存在である神竜になることがある。神竜は特別な力を持っていて、聖霊と共に世界の魔法環境や秩序を守る守護者となる。神竜は普段人前に姿を表さないが、世界のどこかに重大な危機が訪れたとき、天空より現れその土地を守ったり、その土地を修復し、生物達を癒やしたりする。竜人族のドラゴンたちは神竜を尊敬しており、神竜が現れるほどではない危機が起こった時、力を合わせてその土地と生物たちを救う事を誇りとしている者もいる。

〈おまけ〉

・東洋の龍は、ドラゴンとはまた別種の種族。ドラゴンと幾つかの共通点があるため、生物学的に近縁種ではないかと言われている。

・絶対的ではないが、神竜への尊敬からドラゴンは正義感に厚く献身的な性格の者が多い。強さを認めた相手や、強い願いを持つ者に力を貸すこともある。ただ、圧倒的な強さを持つ余裕からか、自由奔放な性格の者も割と多い。良くも悪くもマイペース。

・これは長い時を生きる種族に割と共通することだが、研究や分析が好きで、専門的な分野でオタク気質なドラゴンも多い。そのため、特に魔法などで独自の技術が発達している。中には、広まってしまうと世界の均衡を崩すような危ない技術もあるが、そう言った技術は一部の者にしか伝えられず、厳重に封印されている。

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