第29話 最大の放物線はネオ

 根尾くん、ここのところ苦戦しているようにお見受けします。速く大きいスイングを心掛けているのは伝わってきますが、相手ピッチャーも打たせまいと技巧的なピッチングで攻めて来ます。


 いつものように、落合さんの言葉にヒントを求めました。


 投手寄りの腕は引いた時にめいっぱい伸ばしますが、当然捕手寄りの腕には余裕が出来ます。

 

 また、フォロースルーの時には投手寄りの腕に余裕が生まれ、捕手寄りの腕は窮屈になります。バッティングは、この当たり前に思える左右の手の役割の違い、体の構造を意識することが大切です。

 

 ひとつの見方ですが、スイングの勢いを殺さずに振り抜くには、フォロースルーの時に捕手寄りの腕を離すという手も考えられます。


 落合さんが勧める練習法で、ティーバッティングの時に防球ネットに向かってバットを放り投げるというものがあります。


 捕手寄りの腕をかぶせてしまったり、手首をこねてしまうと、防球ネットにバットが上手く突き刺さりません。


 フォロースルーの軌道が正しく出来ていないと、地面にバットが向かったり、一塁方向や三塁方向へ飛んで行ってしまうのです。


 この練習の際は充分周囲への注意が必要ですが、何度やっても防球ネットに突き刺さるようになれば、また快音が聞けるようになると思います。





 

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