第9話 検索と探索

 『グランモルナクの密偵』がスタートしました。

書くのに時間は掛かりますが、創作する楽しみを噛み締めています。


 ある人気作家さんがご著書の巻末で語られていましたが、「書いていて分からないことがあれば、その都度検索しました。そうやって小説を書いています」との趣旨でした。


 これは例えば、魔法ファンタジーモノを書こうとして、「中世ヨーロッパ」「魔法」などと検索するような場合だと思います。


 ただ、検索が威力を発揮するのは、やはり単語がはっきり分かっていて、それをピンポイントで調べる場合ではないでしょうか。僕もその時は有効活用させてもらっています。


 僕が『グランモルナクの密偵』で主人公の白馬安曇が使用するハンドガンは何にしようかと考えていた時に、全然詳しくないので「拳銃一覧」で検索しました。


 ところが、出て来るのは僕でも知っているようなあまりにもメジャーな拳銃ばかりで、そのうえ種類が少なすぎました。選ぶ楽しみは少なかったですね。「これは映画〇〇〇で使用された名銃で~」と謳い文句が記されているものの、小説に書いたらどうしても5番煎じ・6番煎じくらいになってしまいます。


 「キャラの髪型」や「服装」なんかでもそうですね。もっとずらずら~っと色んなバリエーションが出て来るのかと思ったら、そうでもなかったです。こうした中から選ぶのは、カブル割合も高くなるのではないでしょうか。ネタ元になりますが、やはり紙ベースのモノを当たるのが僕は言葉の探索をしているようで楽しいです。


 テレビを視聴していて、頻出語が連発されるのを聞くと、違う言い方はないものかなと考えることがよくあります。言葉を選択する自由があるのに、その範囲を極端に狭められている感覚があります。


 とみに気になるのが、お店での買い物や飲食店での支払いの時です。近づいた時に「ありがとうございます」。お金を渡したときに二回目の「ありがとうございます」。見送られるときに三回目の「ありがとうございます」。感謝されて嬉しいのですが、これは言い換え・使い分けの言葉を、作家さん全体で考えてほしいです!

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