17話  ローラン様とデート



今日はローラン様とデートすることになりました。




昨日はいやらしいことされて散々でしたわ。


気を取り直してデートを楽しむことにします!


今回は初めて、街でのデートになりました!今までは視線を気にするのが嫌で断ってましたが、10歳になったということで、思いきって少しだけ大人の一歩を歩くことにしました。


 本当はローラン様に懇願されたのですが····。




まずは街の中心にある噴水の前で待ち合わせすることにしました!


 ローラン様は迎えに来るといいましたが、デートと言えば待ち合わせでしょ!


待ってる間のドキドキ感!いいよね!(前世感)


この世界の人は基本デートに待ち合わせしないらしい。男性がお迎えに行くんですって!


面白味に欠けてると思いますわ!




ローラン様は始め、待ち合わせと言ったらびっくりしてましたけど、何とか説得しましたわ!




 学校から帰り、家で軽く昼の食事をした。


 さて!早くデートの準備をしなくちゃ!




急ぎ部屋へ行きデートの準備を始めた。洋服はお母様が作ってくれた赤色と黄色チェック柄のワンピースを着ることにしました。あとはローラン様からプレゼントされた帽子と、ハートのイヤリングを着用です!




待ち合わせ場所の近くまでは馬車で送ってもらいました。


 そこからは歩いて目的地に進む。平日なのに結構な人が行き来してます。




 ふと前を見ると、噴水の前に背の高い美男子がいます。


 ローラン様ですね。既に待ち合わせ場所に着てましたわ。


衣装は全身ダークブラウンで決めてますね!ジャケットもよく似合ってますわ!


いい男は何着ても似合いますわね!




 私はウキウキでローランの所へと向かっていたが、




 「ん?」


 二人組の女性がローラン様に話かけています。


····逆ナンパですわね···。


 女性の方は赤い顔して一生懸命にローラン様に話しています。




 あっ!今度は違う女性の方が···


 次々と違う女性が来て、ローランの周りには小さな人だかりが出来ていた。


 しかも、誰がローラン様を取るか揉めています。




 ······行きにくいですけど····。


 どうしましょう···やはり帰るべきですわね!


 回れ右!をした途端に見つかりました。




 「フレア!」




 ローラン様が私を呼び、手を振りながらこちらに向かってきます。




 もちろん女性陣も一斉に振り向きましたとも!


 おもいっきり睨まれて、その後はお子様とか、妹とか、顔を見てあいつは有り得ないとか思ったのでしょう。少し勝ち誇ったような笑顔になってます···。




 ローラン様がこちらに来て




 「フレア、来たのなら声を掛けてくれれば良かったのに。」




 あの状況で声を掛けろと?


 恐ろしくて掛けれませんわ!




 「·····ローラン様が忙しそうだったので···」




 「ああ、知らない女性に声を掛けられてね。人を待ってるって言ってるのに聞き入れてくれなくて困ってたよ。」




 そうでしょうね。いい男を逃してたまるか!ですわね。




 「さあ、フレアどこを回ろうか?」




 ローラン様はめっちゃいい笑顔で、私の手を取り歩こうとした。




 「あの~、妹さんですか?」




 先ほどの女性陣の中の誰かでしょう。声を掛けてきました。妹と思われたみたいですわ。当然と言えば当然だわ。




 ローラン様が少し低い声で




 「違う。婚約者だが。」




 女性たちは驚いた顔した。




 「あら、こんな子供が?子供なんか相手してても面白くないでしょ?私たちと遊びましょう!きっとその方が楽しいわよ!」




 「そうよ!そちらの子も年齢があった子達と遊んだ方が楽しいでしょ?こちらのお兄さんを今日は解放したあげてくれる?」




 そこのお姉さま方、年齢のことは禁句ですわよ。




「知らない君たちに云われる筋はない。」




 かなり低い声で言う。


ローラン様、顔が怖いですわ。




 「それに君たちに興味もないし。君たちビッチよりもこの子の方が魅力的だしね。さっさと他の男でも漁るんだな。」




 ローラン様、かなりご立腹のようです。かなり、酷い言葉を発してますわ。




 女性たちは最初は青い顔に今度は怒って赤い顔になり




「だれがビッチよ!このロリコン!」




捨てセリフをはいて、去っていきました。




 ローランは去って行った女性たちを見て清々した顔で、




 「さあ、フレア行こう」




 と歩きだした。




 ローラン様はモテるので覚悟はしてましが、やはりいい気分ではありませんね。


 今度から待ち合わせは辞めておきましょうと心に誓った。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 まず向かったのは喫茶店。




 さっきのことがあったので、ひとまず休んでから行くところを決めようってことになりました。




 「いらっしゃいませ。」




 ここの喫茶店はよく女子会で使う場所。パンもケーキも美味しいのです!


美味しい物を食べて、先ほどの嫌なことを忘れましょう!




 喫茶店に入った途端に女性からの熱視線。もう無視ですわ。




 ローラン様はコーヒーを頼み、私は紅茶といつものケーキを頼みました。


 相変わらず美味しいケーキですわ!




 「フレア、今週の土曜日の昼間なんけど、アルフレッドが内輪でパーティーをするらしいから一緒に行かないか?」




 アルフレッドという人はローラン様とシャベールお兄様の同級生。アルフレッド様はお祭り好きのようでちょくちょくパーティーをされております。私も仮とは言え婚約者ですので、一度皆に紹介したいと言れ一回だけローラン様と参加したことがありました。その時も一波乱ありましが····




 「····でも、せっかくの同級生のお集まりだし。」




 前回行ったときのことを思い出し、渋った。




 「フレアと一緒に言って、また自慢したいんだ。」


 ローラン様は手を合わせてお願いしてくる。




 ローラン様、私は自慢にならないと思いますわ。むしろローラン様にとってマイナスのイメージにしかならないと思いますわ。




 その後、ローラン様に何とか言いくるめられ、承諾してしまいました。






 喫茶店を出て、宛もなく二人でウロウロしました。ウィンドウショッピングってやつですわ。




 そしてローラン様の希望で手は恋人繋ぎをしています。




  喫茶店を出て歩く時に腕を組もうとしたら




 「フレアお願いがあるんだけど、腕を組むんではなくて、指と指を絡めて合う手の繋ぎ方をしたい。」




 私は驚きました。この世界にも所謂恋人繋ぎがあるのかと。


 どのカップル見ても腕組みしか見たことなかったですし。




 「そんな繋ぎ方あるんですの?」




 「いや、ないんだけど、その方が密着度も増してフレアを感じられるから。」




 ありゃ、ローラン様が考えたんですね。まあ、実際は世界は広いので恋人繋ぎくらいは在りそうですが。




 それにしても密着度···イヤらしいですわ。




 で、今は恋人繋ぎをしています。


 手の大きさが違うので、指と指を絡めたら上手く握れません。ローラン様の手は大きくてがっしりしてます。指も太くて···ちょっと指と指の間が痛いです。ローラン様は嬉しそうにニコニコしてて、痛いとは言えません。


 私からは握れませんが、ローラン様がぎゅっと握ってくれてるのでいいかなっと。




 暫く会話をしながら歩くと一軒の宝石屋さんがあった。




 ローラン様が、ちょっと入ってみようと言うので、入ることにしました。




 うちは基本全てを商人が家に来て、その品物を見て買います。


お店で買ったことがありません。服はお母様のお友達のマリア様がいらっしゃいますし。


  なので新鮮でした。




 「うわあ!可愛いのいっぱい~」




 こじんまりとしたお店なので、多くの種類は有りませんでしが、ここは工場も在るらしくオーダーメイドができるらしい。




 鳥さんのブローチ可愛いわ。でもちょっと子供っぽいかしら。


 今日の記念に(初!街中デート記念)何か買おうと思って、商品を物色していた。




 「フレア、今日の記念にプレゼントするよ。」


 ローラン様も同じ事を考えてたようですわ。


 「プレゼントなんて···私は記念に自分で買うつもりですわ。」


 「自分で買わずにプレゼントさせて欲しい。」




 でも今までも、何もない時にでもプレゼント貰ってますから···




 「では、お互いにプレゼントするのはどうですか?」




 それにはローラン様も賛成してくれました。


 色々話しをしてペアのブレスレットを買うことし、物色をしましたがペアものは少なく気に入るのがなかった。


 そこでオーダーメイドにすることにしました!デザインをお互いに話し合い注文しました。さすがに私の小遣いからも出すのであまり高価な物ではありませんが。


 仕上がりは1ヶ月位かかるそうです。楽しみです♪




 その後も二人でぶらぶらしながら歩き、夕方には送ってもらいました。




 もちろん、ぶらぶらしてる時もローラン様は女性から熱視線を浴びてましたわ。私には痛い視線をくれたました···。




 最後は熱烈なキスをいただき、ローラン様はご満悦で帰りましたわ。




 こうしてデートは終了しました。




 


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