15話 フレア10歳編始動!



 私、フレア·フィン·アンドリエは10歳になりました!




 ローラン様と仮婚約から二年経ちました!何事なく···はないですが、まあ、平和に暮らしてますわ!




 まずは説明ですわね。


 ムーフォンス王子様とノーレン御姉様の婚約は出来なかったようです。残念です···。


 ですが、ノーレン御姉様は二歳年上でギオレットお兄様のお友達の公爵家嫡子、カイル様の所へ嫁ぐ事が決まりました!カイル様の熱烈な求婚にたじたじしてましたが(あのノーレン御姉様がですよ!)先日プロポーズをお受けしたのです。来年には花嫁さんになる予定ですわ!




 アンナ御姉様はなんと!ランベルト王子様の所へ側室として嫁ぐことに決まりました!本当は一度断られたのですが、お菓子を手作りしたりお弁当を作ったりして、お母様と王妃様の手助けを借りて猛アタックした甲斐があり、ランベルト王子様の心をゲットしたようです!生娘でないのが残念です。




 リリアン御姉様は、どうやらお付き合いをされてる方がいるようです。詳しくは教えてくれないのですが、勘ですが私がプロポーズされた夜会で、見つけたと言ってた人のようです。




 リンクス王子様ですが···。お断りしてから、学校で会うと挨拶程度はするようになりました。たまに視線を感じて振り向くと、リンクス王子様が私をじっと見てます···。ちょっと怖いです。




 ムーフォンス王子様は、ジャンヌ王女とルルカ王女との婚姻はお断りしたそうです。お断りしてお国同士の友好は大丈夫なのかしら···と思っておりましたが、大丈夫でした。本来ならどちらかを娶った方がいいのですが、アレですからね···とても一国の王妃は務まりませんわ。「お前の娘は礼儀もなってないから、要らん!」とは正直には言えないので、普通に滞在期間が済んだら祖国に帰ってもらって、普通はそこで「そちらの王女と婚姻を結びたい」の書簡を送るのですが、それをせずに放置していたそうです。そしたら2つの国からどうなってるのかと、お手紙がきました。


 そこで「王太子は婚姻を結ぶつもりはない。」と返事をするのですが、その返事を持って行く役目をお父様がしたのです!


 お父様は、この国ならず、世界中で名が知られています。しかも我が国オーディフェンス王国は四つの国で最も大きく、最も強い国なのです。


 お父様が直接書簡を届けることにより牽制をしたのです。異論があるなら受けて立つ!みたいな。


 まあ、オーディエンス王国やお父様にたてついたら、国を滅ぼされ兼ねませんからね。それからは、お父様効果で王女の婚約のことに対して何も言って来なかったみたいです。




 そしてムーフォンス王子様は今年に入って、大公爵のご息女と婚約しました。ムーフォンス王子様は再来年の結婚予定です。


 ですが会ったら相変わらず私にちょっかいをかけてきます。それは追々に···。




 シャベールお兄様は相変わらずです。いい加減、身を固めて欲しいですわ。




 ギオレットお兄様は恋人が出来たようで、近々恋人を連れて挨拶にくると言ってました。




 ローラン様と私ですが、会うのは私の部屋が多いです。下手に街を歩くと、女性からの視線に私が耐えられないからです。そう言えば、ローラン様のお屋敷には御呼ばれしたことないですわ。何故でしょう。一応キディングス公爵夫婦は、我が家へ挨拶に来られたので知ってますが。


お出かけするときは、自然のある場所でゆっくりしてますわね。相変わらずローラン様は辺境勤務なので、月に一回会うか会わないかですわ。変わったことと言えば、恋人同士みたいなことをしていることでしょうか。


 仮婚約が決まってからは、ローラン様はしょっちゅう手を繋ぎたがります。あと、おでこにチュッ、ほっぺにチュッ。


 恥ずかしいですわ····


 私の10歳の誕生日には豪華なプレゼントを沢山頂きました。その時に唇の唇との初キッスをしました。(きゃっ!)


これがなかなか濃厚でしたわ。でも舌は入れてませんのよ。ローラン様が私の唇を軽く吸う···のを何回もして···そのまま流されそうになりましたわ。




 こんな感じの私たちですが、私の婚活(?)はしていますよ!まだ、騎士嫁は諦めてません!正直、ローラン様以上の方が現れるか分かりませんが。




 私は最近、騎士練習場に通ってますの。


 何故かって?女子だからと言って護られてるばかりではいけないと思ったからです!自分の身は自分で護らないらないと!····とは言い訳で、将来有望な方を物色しております!


 本日も騎士練習場に来てます!




 「やあ!」


 剣の素振りをする。剣は剣でも子供用の剣で、普通の剣より短い。重さも鉄で出来ているのでちょっと重い。




 「フレア様は剣筋がよろしいですな!」




 老年の講師が言う。




「ありがとうございます。」




 実は魔法より、剣術の方が得意。前世で、五歳から12歳まで剣道をしていたから!汗くさいのが嫌で辞めて、テニスに転向したんでけどね!




「フレア様、油断は禁物ですよ!」




 この老年は名はバッカルと言い、元騎士の副団長をしていた。このバッカルが私の専用講師となっている。


 皆と一緒にやりたかったけど、公爵のご令嬢で、怪我なんかさせたら大変!との事。あとはお父様と、ローラン様の影響ね。


 もちろん練習場は、他の方とは遠い場所でやっている。いつも最後の仕上げにバッカルと軽い模擬戦をする。




 カキンッ! カキンッ!




 「やあ!やあー!」




 私は必死で剣を振る。




 「今日はここまで!」




 バッカルの言葉で練習が終了する。




 「はあ、はあ」




 キツいですわ!でも楽しいわ!




 息切れしながら、タオルで汗を拭う。




 「うおぉぉぉぉ!」


 「はあぁぁぁ!」




 向こうでは騎士の方が模擬戦を、まだ行っていた。




 汗臭そうですわ。ですが、騎士たちが闘っている姿は格好いい♪




 実は一人だけ目をつけている人がいますの!平民上がりのカールって言う男の子!年齢は一つ上の11歳。剣術も強く、先日は自分より五つ歳上の方に模擬戦で勝ってましたわ!


 カールは同じ学校に通っている。私たち貴族とはもちろん校舎が違います。


 11歳から選択科目が合って、カールは剣術の授業を受けていた。


 本当にたまたまなんですが、授業が面白くなくて運動場を見たら、一人だけ凄く型が綺麗で早い素振りをしてる人がいたの。「凄いわ」と思い、そこから興味を持ち調べたら、平民で名前はカール。恋人なし!婚約者なし!女性にも優しいそうで平民クラスではかなり人気らしい。(提供者キャロル)


 顔もそこそこ格好いいと思う。奥手でお茶とか女性に誘われても顔を真っ赤にして断るらしい。




 堅実そう!それが決め手ですわ!




 今度はまた、たまたま騎士練習場で見かけて、バッカルに聞いたら、自分で売り込んで来たようで、筋がいいから練習に参加させてるそう!将来有望だよね!


 話すタイミングを模索してるんだけど、なかなか出来ずにいます。




 「フレア様、そろそろお帰りにならないと。」




 はっ!そうだったわ!騎士たちの練習風景を見てる場合じゃないわ!約束破ったら来れなくなるわ!


 私は急いで帰り支度をし、馬車に乗り帰宅した。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 「お母様、ただいま帰りました。」




 お母様の作業場に行き声を掛ける。




 ····。




 お母様は手に縫い物を持って、何か真剣な顔して考え事をしている感じだった。


 お母様、気付いておられないのかしら。




 もう一度声を掛ける。




「あら、フレアお帰りなさい。」




「お母様、お加減が悪いのですか?一度、お声をおかけしたのですが。」




「ごめんなさい。気づかなくて···。大丈夫よ。ちょっと考え事をしてただけだから。」




「なら、良いのですが···。」




 最近、よく考え事をしていて、こういうことも度々あった。


 本当に大丈夫かしら。最近お母様変だわ。




 「汗を掻いているでしょう。お風呂に入ってきなさい。」




 そうそう!汗で身体がベトベトなんだよね!




 「はい!入ってきます!」




 私は急ぎ足で風呂場へ向かった。








 お風呂が済んで夕食を食べに食堂へ向かった。


 いっぱい運動したからお腹が空いたわ!




 食卓にはシャベールお兄様以外は既に席に着いていた。


 あれ?昨日も一昨日もお父様いらっしゃったのに、今日もいらっしゃるわ。


 お父様は基本1日置きにいつもは帰ってきている。日曜日は必ずいる。(お母様が料理をするから)いつも4日間帰ってくる時は大体、日、月曜日の連続となる。最近連続で帰ってくる日がちょくちょくある。今日は金曜日。今週は日、月、水、木、金と帰ってきている。お母様のことと言い、何かあるのかしら···。


あと居ないシャベールお兄様はどうしたのでしょう。




 「シャベールお兄様は?」




 「今日は急遽夜勤になったみたいよ。」




 リリアン御姉様が教えてくれた。




 「そうなんですの。」




 ともあれ、お腹空いたから早く食べよう!




 食事は、和気あいあいとおしゃべりしながら食べた。




 「そう言えば、フレア。ローランからお手紙がきてたわよ。部屋の机の上に置いておきましたらからね。」




 えっ!ローラン様から!?早く食べて読まなくちゃ!




 「ありがとうございます!お母様!」




私は急いで、掻き込むようにして食べたらお母様に怒られました···。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 


 食後すぐ自分の部屋へ帰り、机の上を見る。




 「あった!」




早速、手紙の封をペーパーナイフで開けて読んだ。




 「ローラン様、明後日に帰ってくるんだ!2ヶ月ぶりだわ。」




 お手紙には纏まった休みがやっと取れたので帰るとのことでした。


 先月は纏まった休みが取れないからと帰ってこられなかったのです。


 明後日に帰ってくるなんて急だわね。とはいっても辺境からお手紙を発送しても、手元にくるのは早くて二週間はかかる。




 明明後日は会いましょうとも書かれている。


 明明後日は月曜日だから、会うのは学校から帰ってからになるわね。




 お母様に言って、夕食を一人分追加してもらわないとね、




 お土産は何を買ってきてくれるかしら!前、買ってきてくれたお菓子ならいいな!


 明明後日が楽しみです!




悪あがきしていても、ローランと会うのをウキウキして待ってるフレアだった。




 


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