第3話 舞踏会と言う名の集団お見合い①




 この国では八歳から学校に通えるようになる。セイントゲル学校。私はこの学校に11歳まで通うことになる。




 王都では一番大きい学校になる。年齢ごとに校舎があり、大人に必要な事柄や魔法など色々なことを学ぶ。


三年(11歳)になったら選択科目が出来る。ここで大体将来に進む道を決める。




 暦は日本と一緒で一週間は7日間。学校と月曜日から金曜日の五日間ある。この辺も一緒だ。




 「フレア様、明日の舞踏会はもちろんいきますよね?」




 ニッコリ笑い話しかけてきた女の子はキャロルいう名の子。


茶色の髪でポニーテールをしている。眼鏡を掛けていてそれが良く似合ってる。


初めて出来た女の子のお友達!




とってもおしゃべりで一緒にいてとても楽しい♪


流行りにも敏感で、今日の今流行り服装もピンク色のワンピースで腰を絞るのに大きなリボンを付けている。


しかもしっかりとうっすらだけど化粧もしている。




「▪▪▪ええ。一応行く予定にはしておりますわ。」




私は気のない返事をする。はっきり行って行きたくない!


なぜかと言うと、




「皇太子花嫁探し舞踏会」だからだ!




 それは1ヶ月前に遡る。


ある日家に私達三姉妹に三通の招待状が来た。




内容は




『来る、9月22日、日曜日に第一王子ムーフォンス様の16歳のお誕生日を祝う舞踏会を開催致します。女性8歳~18歳までの方は必ず参加されたし。』 だ。




 どう考えても皇太子の花嫁探しじゃん!


しかも年齢の幅広すぎだし!




 文面の通りほぼ強制▪▪▪。強制見合いだわ…。




 一応まだ独身、婚約者なしだけどこれからのこと考えると絶対に嫁は増えるから!


 しかもかなりのプレイボーイと聞く!


先日もどこぞの伯爵のパーティーに呼ばれどこぞの令嬢をお持ち帰りをしたとか▪▪▪。




 絶対嫌だー!まあ八歳の私が選ばれるとないと思うけどね。




 私を選んだらロリコンよ!ロリコン!!(ローランはロリコンだけどね!)






ボンキュンボンの御姉様方がいるから大丈夫だかな!




 ただ問題点が▪▪▪




 それは正妃は処女ではないといけないこと!


性に対して解放的な国なんで、もちろん御姉様方は当てはまらない。側室は関係ないので御姉様方は側室狙いで行くみたい。




頑張れ御姉様方~!!


























  とうとう舞踏会当日になった。




 馬車で王城に行き、舞踏会会場に足を踏み入れて思ったこと。


 『皆様凄い気合いが入ってますね…。』


 御姉様方もドレスが凄いです。胸をこれでもか!っていうくらい寄せて上げてます。お色気ムンムンですわー。


 皆様のきらびやかドレスが眩しいです!


 私はオールピンクで決めてみました!フリフリドレス、フリフリタイツに髪に大きいリボンを着けてみた!所謂ゴスロリっぽくしたのだ!




 あまり好きじゃない格好だけど、ふふふ。ここまで幼稚さを出せば問題外のレッテルを貼るに違いない!


 他の同じくらいの年齢の子は綺麗に着飾ってる。だからいつもより凄い大人っぽく見える。化粧もバッチリしてるしね!




 因みに私はする気なかったけど、母様に無理やりされました。少しだけだけどね!




 会場に入って御姉様方とは離れた。


 友達を探すのに会場内を見渡すと色んな人が来てるなあ。


 ふと、かなり豪華な一団がいる一角があった。


 どうやら隣国の王女様方の模様。眩し過ぎて見れないわ!でも意地が悪そうな赤毛の人がいた。なんか従者みたいな人を怒ってる感じ。関わりたくない人達だわ。


そこから目を反らしてキョロキョロしてたから友達のキャロルの見つけた。キャロルの所へ行って色々おしゃべりをした。




 そうこうしている内に会場が女の子や貴族たちでいっぱいになった。




 パッパカパーン!!ラッパの音が鳴り響いた。




 「オーディエンス王国、国王様の入場です!」




 従者がドアを開ける。




 そこから皆の拍手を受けながら王様、正妃、と入場し、その後に皇太子のムーフォンス王子様、第二王子のランベルト様、第三王子リンクス様、王女セリーナ様と続いた。


 国王様が王席に座り




 「皆のもの、この度は我が息子ムーフォンスのお祝いに来てくれて感謝する。ゆっくり楽しく過ごして欲しい。」




 その言葉を皮切りに音楽がなりムーフォンス王子とセリーナ王女が手を取り合い舞踏会の真ん中に行きダンスが始まった。


 やっぱりスゲーな。目が奪われるくらい上手いダンスを披露していた。




 曲が終わり次の曲が始まったら次々とそこに行き踊りが始まった。




 「じゃあムーフォンス皇子様にご挨拶してくるわね。」




 キャロルがかなりの人だかりの中心の人物に挨拶しに行った。


キャロルも気合い十分だ!いつも身なりは、きっちりしてるし!


本日は淡いブルーのドレスで髪型もたてロール決まってるぜ!お化粧もいつもより濃くて大人っぽくなってるし!キャロルも頑張れー!




 私も行かないといけないんだろうけど、あの目が血ばっした所に行く勇気はない!怖いわ~。




 別に玉の輿狙ってないしねー!まあ人だかりがなくなったら挨拶しに行こうかな!てか、人だかりがなくなるか分かんないけどね!一人くらい挨拶しなくてもいいんじゃない?




 なーんて思いつつ、料理があるところに移動はした!腹が減っては戦はできぬってね!




 「美味しそう!!」




 テーブルには沢山の料理やスイーツが並んでいた。オークのステーキや魚のムニエルみたいなど。




 気になる料理から手元のお皿にのせてバクバク食べている。




 オークのステーキは基本的な塩胡椒の味付けだ。これはこれで美味しいけど醤油垂らしたらもっと美味しくなりそうだな。ステーキ食べてたらサラダが欲しくなる!ドレッシングも美味しいけどマヨネーズでかけて食べたい!




 早く醤油とマヨネーズを世に出したいな!




 ムフムフしながら食べてると、ふと後ろから人影が映った。




 「ん?」




 不思議に思い振り向くと






 『げっ!!』




 そこには短く整った濃い色の金髪、若干たれ目で右目の下に泣き黒子がありそれがセクシーさがにじみ出でいて眩しいオーラを纏う美青年この度の主役ムーフォンス王子様が立っていた。






 なっ!何故王子様が?!


 右手にはフォーク、左手には沢山料理がのったお皿を持ち、挙げ句は口には食べ物が入ってる間抜けな姿でボーゼンとムーフォンス王子を見上げた。




 「レディ、こんばんは。」




 ムーフォンス王子が話しかけてきた。




 ハッ! ヤバい!挨拶してないし!




 私は何事も無かったのように、ハンカチをポケットから出し口の周りを拭き綺麗した。




 「ムーフォンス王子様、初めてまして、ダン▪フィン▪アンドリエ公爵の四女のフレア▪フィン▪アンドリエと申します。『八歳』でございます。」




 澄ました顔でさりげなく年齢を強調して自己紹介をし、ドレスの端をつまみ軽く持ち上げてお辞儀をした。




 顔を挙げた際に周りを見たら、皆様驚いた顔してました。当たり前よね。




 「ご挨拶が遅れ申し訳ございません。この度はお誕生日おめでとうございます。このようなお祝い事にご招待いただきありがとうございます。」




  ニッコリ笑い頭を軽く横にし上目遣いで言ってみる。この仕草は15歳くらいからやると、こいつブリっ子しやがって!と思うが八歳なら可愛い仕草になるだろう!しかも服装が服装だからロリロリだ!




 「ありがとう。君はアンドリエ公爵の娘さんなんだね。端の方で一人で見たことない子がとても美味しそうに料理を食べてるから気になってきてみたよ。」




 さりげに嫌みを言いつつ王子様スマイルで言ってきた。


 うお!笑顔が眩しい!!この世界は美男美女が多いから心臓がドキドキし過ぎて心臓が止まりそうだわ!!




 私は気持ち(心臓)を落ち着かせて小さく息を整えた。




 「どれもとても美味しくて食意欲がそそられまして」




 手に持ってたお皿とフォークを持ち上げた。


 ハッハッハッハー!お子様丸出しだー!どうだ!




 ムーフォンス王子は少し驚いた顔して、ニヤリとした!




 ゾクっ!




 ニッコリじゃないよ!ニヤリだよ!


背筋に冷たいのが走った。頭の中が危険信号の音がなっている。




 「お気に召して貰って良かった。料理人も喜ぶであろう。」 




 「是非とも美味しかったとお伝えくださいませ。…それでは」




 すぐ踵を返しそうとしたら




 ガシッ!




 肩を持たれた。




 「スイーツはお好きかな?彼方に私の為に作られたケーキがある。良かったら一緒に食べてませんか?」 




 なぬ!ごめん蒙りたい!


お断りしようとしたらガッチリ肩を持たれてグイグイ引っ張られ連れていかれる。




 食べてませんか?って疑問符だよね?まだ答えてませんよ!なのにズルズル引き連れるようにお見合いに来た方々の中を歩く。


 チラッと見てみると、ノーレン御姉様に睨まれ、アンナ御姉様はボーゼンとしていた。




 もちろん他国の王女様方には殺気の籠った睨み頂きましたー!




 辞めてー!離してー!帰らしてー!




 私はどうすることも出来ず拐われるように王族がいる場所へ連れて行かれた。






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