第2話ロリコン?にロックオンされた模様



 ある日こと。フレアはいつものように調味料作りに没頭していた。




 今日は長男シャベールのお友達が数人遊びに来ていた。運が悪いことにちょうどその人達が来たときに居合わせてしまった。


 『マジかー。嫌だなあ。』




 そのまま過ぎ去ろうした時、チラッとシャベールを見る。




 『ちゃんと挨拶をしなさい!』




 顔は笑顔だが、目が笑ってない。怖いです!シャベールお兄様!




 一応会ったこともある人もいるのでその人はとばかして、初めての人だけに紹介された。




 「ローラン、これは一番下の妹のフレアだ。」




 「初めまして。フレア▪ファン▪アンドリエと申します。」




 ちょこっとドレスをつまみ上げお辞儀をする。


しまった!これから外で調味料作る実験をしてるからボロいドレスを着ているじゃん!可愛いフリルの白色エプロン着けてるけどね!▪▪▪まあいいか、将来に関係ないしね。と平然と挨拶をした。


あまり気にならない人とかにはそういうのは気にしないのだ。それは前世からだけど。でも前世はちゃんと服装は気をつけてたよ!




 「初めまして。私の名前はローラン▪サング▪キディングス。シャベールとは同じ学校、専攻で仲良くしてもらっている。」




 と爽やかな笑顔で挨拶してくれた。




 う~ん!これまたイケメン!シャベールお兄様は綺麗系、ローランはカッコいい系だ。瞳は紫色。あまりに綺麗でじっと見てしまう。髪は見事な金髪で、短髪ですっきりしてて俳優みたいな感じ!因みにシャベールお兄様は長髪で一つにいつもの束ねている。




 身体付きもがっちりしてて、シャベールお兄様よりも背が高い。16歳にしてはかなりの長身じゃないかな?


また、大人顔負けの男の色気を出している。こりゃあきっと、学園ではシャベールお兄様と人気を二分してるんだろうな。




 キディングスと言えばうちと同じ公爵の爵位を持つ。但し次男だけどね。




 因みに二男以降は長男が爵位を継いだ時点で独立を余儀なくされる。独立後は一番低い爵位の子男爵の位を貰える。そこから爵位を武勲や国に貢献したりして爵位を格上げが出来る。




 爵位で一番の高位は大公爵になる。この爵位は特別で英雄並み武勲など取ったものしか貰えない栄誉ある爵位になる。


 色んな面で手厚く優遇されるのだ。


 この地位にいるのはこの国では二人しか居ない。




 まっ!騎士団の人の嫁になるつもりの私には関係ないことなのだ!




 しかもイケメンと言うのもいただけないのだ!


でも多の人みたいに私を見てがっかりした顔をしなかったことは誉めてしんぜよう!




 きっと、女遊びしてる!この爽やかな笑顔が胡散臭い!絶対無理!




 この国の人って性に関しては寛容みたいです。不倫なんて当たり前みたいなとこあるし。初体験もかなり早い!(ノーレン姉様情報)道楽の少ないこの世界では仕方のないことなのかもしれないけどね。




 「ごゆっくりとしてくださいませ。それでは失礼いたします。」






 さっさと立ち去るべしね!




 フレアはその場を去り冒頭になる。












 「う~ん。あと少し酸味が足りないなあ。」




 今日は醤油作り。実はほとんどできているのだが、あと一味足りないのだ。


少し酸味のある葉っぱのフフルをもう少し足してみようか。


だが手持ちは既に無くなっている。またフフルの葉を貰わなくてはならない。


庭の手入れしている年配のおじいさんに頼んでみよう。家庭菜園をしているらしく、いつも快くくれるのだ。でも最近ではその頻度も多くなってきてるので、種か株を貰って自分で家庭菜園しようかと思っている。




 とりあえず、日も落ちてきたし今日はここまでだなと思い片付けをした。




 「もう、シャベールお兄様の友達は帰ってるわよね。」




 家に入る為庭をてくてく歩いてると、噴水の所に人影を見つけた。




 「誰かしら。オギレット兄様かしら。」




 近づいて行ったら、そこにいたのはシャベールお兄様の友達のローラン様だった。


噴水の縁に座り険しいような泣きそうなような顔でオレンジ色の空を見上げてる。




 自分でも分からないけど、そんな顔似合わないよ!って思いトテトテと近寄って話かけた。






 「▪▪▪ローラン様、こんな所に座ってどうかなさったんですか?」






 驚いた顔でローランは私の方を振り向いき、すぐ笑顔になって答えた。






 「いや、綺麗な庭だなって思って。」








 「▪▪▪そんなふうには見えませんでしたが。」




 「▪▪▪そう?」




 「▪▪だって泣きそうな顔してます。」






「!?」




 私の言葉にかなり驚いた顔をした。




 「良かったら話を聞きますよ?」




 またまた驚いた顔した。


 まあこんな五歳児の幼児に言われても話さないわな。




 ローランはすぐ笑顔になり




 「何もありませんよ。」




と優しく答えてくれた。




 まあ普通はそう答えるよね。でもその笑顔も悲しそうな顔に見えたので、噴水の縁によじ登り、ローランの頭をなでなでしてあげた。




 その仕草をしたときにローランはじっと私の顔を見て、その後はうつむき暫く私のなでなでを受けていた。
















 それからローランはちょくちょく家に遊びに来るようになった。




 シャベールお兄様と遊ぶ為に来てるはずなのに、何故か私の所にきてお話したり、おままごとの相手をしてくれるようになった。








 なのでとても困っている!調味料の実験ができないのだ!


 何回か相手にして貰って、「シャベールお兄様と遊ぶのでは?」「いちいちこんな幼児の相手はよろしいですよ。」とか言っては見るものの「大丈夫だよ。」の一言で終わる。




 いい人だと思う!いや!いい人だ!だが私には遊び相手とかは必要ないのだ!近い年齢ならいざしらず、歳も11歳離れてるし!




 シャベールお兄様にもそれとなく言ってはみたが、「いいんじゃない?」「フレアも遊び相手がいたら嬉しいでしょ?」と言われスルーされている。






最近では私を見るローランの目が熱がこもってる気がする▪▪▪




もっ、もしやロリコン!?




ちょっと焦ってシャベールお兄様に聞いたみた。


だが返答は「NO」だった。




その答えを聞いて安心したが、やはりおモテになるようで、その手のお誘いが後を立たないとか▪▪▪。


まさに入れ食い状態らしい。来るのもの拒ず去るのも▪▪▪。




 まっ!分かってたけどね!ちっ!




 きっと妹は居ないそうなので、妹みたいに思って接してくれてるんだな!うん!きっとそうだ!


▪▪▪と、自分に言い聞かせた▪▪。










◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆






 




 あれから三年経った。


 私もとうとう待ちに待った八歳になる。ふふふ。 


 調味料もなんとか物になった!まあ現代の日本の調味料と全く同じには出来なかったけどね!


 調味料が出来たけど料理が出来ないので、去年くらいから調理場を見学させて貰ってる。最初は反対に合った。特にオギレット兄様から。「ケガをしたらどうする!」「料理人の邪魔になる!」とか言われて▪▪▪


 それでも粘ったら、条件有りでOKが貰えた!




1、料理人の邪魔にならない所で見学する。




2、手を出さない!お手伝いも禁止!




3、お母様がいる時のみ!




 ③のお母様がいる時のみと云うのはお母様は料理をするの。おやつのクッキーとかパンケーキとかはお母様の手作り。週に一回は食事と作る。それは料理人達に休みをあげているから。


他の家はしてないシステム。やはり家族は大事だから週に一回は家族で過ごしてね。とお母様の配慮なの。なんて優しいお母様!しかも料理人よりも美味しい料理をつくる!▪▪▪料理人達には内緒だけどね!




 なので週に一回は料理を教えて貰ってる。もちろん見るだけ!見るだけでもとても勉強になるよ!






 もう少ししたら自分で料理出来る!もうワクワクしてる!


 えっ?料理出来るの?って?


出来ますよーだ!前世では一人暮らしで自炊してたし!料理は嫌いじゃなかった。


 だからある程度は出来るぞ!




 その前に社交デビューしなくちゃ!




 でもそれもちょっとね▪▪▪




 実は二年前ローランからお父様に私との婚約の打診があったらしい!


 二年前って六歳なんだけど▪▪▪。やっぱりロリコン??




 この異世界の婚約は社交デビュー後からじゃないと出来ないらしい。


 なのでお父様は




 「大きい武勲を挙げたら許す」




 と云う条件付を付けたらしい。




 隣国のカンチス王国とは仲が悪く小競り合いをしている。大きな戦争は今は起こってないが、いつ有ってもおかしくない状態ではある。カンチス王国は武装王国。野心もかなりあって、オーディフェンス王国領土を狙っていて国境に近い村や街にちょっかいをかけている。


 ローランは昨年学園を主席で卒業し、すぐ騎士団に入団した。




 公爵の子息なのに、騎士団の中でも一番厳しく、激地に赴くのが多いピューマン騎士団を希望し入団した。


 まだ入団して間もないのに頭角を表し、今は一個隊を任されるほどになっている。


 先の戦にも敵を撃退したらしく表彰されていた。


 徐々にお父様との約束を守っていっている▪▪▪




 私にとっては「ヤバい」に尽きる!




 なんとか打破しないと!




 今の一番の悩みだ!!










 そうこうしている内に私の社交デビューの日が決まった。




 






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