第3話今なら分かる冒険者の老後、目指せ異世界 快適経済02

田舎の朝は早い、自分のスキルが何か分からないまま、それどころかこの世界の基礎知識が無いまま農園の仕事に駆り出された。

「うーん、また働くのか。」だが不思議とテンションは高かった、体が若返ったせいで気力は充実しているし頭もスッキリしている、腹も引っ込んでる、この調子だといくらでも働けるし酒も飲めそうだ。

責任者と思われる四角い顔の髭もじゃ大男が近づいて来た、まあ男の容姿はどうでも良いや。

「オジイサンさん、今日はこの列の果物を収穫してくれ、やり方はドナがやるのを見て覚えてくれ。」

と、ドナという子に仕事を丸投げして彼は違う畑の方に向かった。

「ほれ、わたすのやり方みてれ、サボの実はすぐつぶれっから、あがくないのはとっちゃだめだすよ。」

ドナはそう言って俺の隣で赤く実った小さな果実を器用に実を捻って枝から外した、そうして丁寧に腰籠に入れていく。

この娘は少し訛りがあるが、身長は俺より頭ふたつ低い、農作業で少し汚れているが若々しく素は美しいのだろう。

その小さくピンク色の可憐な指先が赤い実の汁で色っぽく染まる、顔立ちも小顔で小さなピンクの唇が艶々と輝いて俺を誘っている、きっと誘ってる。

「ねえドナちゃん、この仕事終わったら、ちょっとお茶でもどう?。」声をかけた、いいよなちょっとくらいなら此処は異世界だし。

するとドナは真顔で見返し来た。

「お茶って何ズラね。」

俺は衝撃を受けた、生まれて初めてカミさん以外の他の女を誘ったのに・・・この世界にはお茶の習慣がないのか、ではナンパでお茶の誘いは無いのか、では俺はどうすればいい、正義は何処にある。

気が付くと周囲は既に黄昏ていて俺以外誰も居なかった、「お、置いて行かれた!。」

ここから村まで10km程、馬車もなく周りでは何かの獣か魔物の唸り声が聞こえだした、その声の正体も現在の自分の実力も不明では逃げ帰るしか方法が無い。

心臓が口から飛び出るかと思うほど必死で走って無事に村についた時には辺りは暗闇に包まれていた。

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厨二病老人は夢心地 或いは浮気者には制裁を 猫3☆works リスッポ @nekosanworks

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