第2話今なら分かる冒険者の老後、目指せ異世界 快適経済01

「お爺さんは浮気しないから私は一緒にいたのに、あなたは他に存在価値ないのよ。」鋭くこちらを睨んでいる。

そう冷酷にのたまう婆さんは見た目は可愛い、しかし転生前に輪をかけて強気になっている気がする。

「ああ俺の特殊スキルは有るはずなのに、思い出せない!。」

「お爺さんが悪いんじゃないの、美人の天女に気を取られて神様のお話ちゃんと聞いてなかったでしょ、この先心配だわ。」

「頼む、教えてくれないか、俺のスキルが何か。」

「嫌です。」婆さんは可愛いく微笑んだ。

いかん、このままでは主導権が婆さんに握られてしまう、俺の夢の転生生活が破綻してしまうじゃないか。

「あの、話を中断させて申し訳ないのですが一つお伺いします、オジイサン、オバアサンと言うのがお二方のお名前なんでしょうか。」女騎士が話に割り込んできた。

「へ?。」これは想定外の質問だ、ここ何十年もお爺さんおばあさんで通してきた事に何の疑問もなかった、しかし見た目が18歳前後になった今はお爺さんやお婆さんは無いよな。

「いや、そうだな、これは別名だから、この子は本田絹代、俺は本田元治と言う、今後共よろしく頼むよ。」

「くっ、く、く。」なんだよ、婆さんが妙な笑いをしている、女騎士も。

「アハハ、っつう。」二人で爆笑している。

15分程度だろうかその笑っている間俺は渋い顔でそれを見続けていた。

「わ、笑ってごめんなさい、あなたが寝ている間にこの人に大方説明しておいたの、ちょっとした悪戯なのよね、それとね、この家少しの間借りる事にしたわ、仕事も手配済みよ、私の言う通りにしていれば困らないから、浮気しちゃダメよ。」

結局のところいつの間にか主導権は完全に婆さんのものだった。

次の日から俺は朝早く叩き起こされた。

「お爺さん、この世界にマイホームも年金も無いの、今までみたいに年金生活でのんびりは出来ないのよ、せっかく若くなったんだから懸命に働いて老後のお金を貯めないとね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る