歩い

同じモチーフばかり繰り返して全てが摩耗していく

すり切れた想い出に戻ってくるたびに、だんだんほんとうになっていくような気がしている(気がする)

馬鹿はもう失望を囲えないことに気がついた

十字路のまん中に立っている


さようならはもう言えない

賢すぎて終わりに気がつかなかった森の賢者

彼の家を囲うのは兵隊の群れ、鼠の一匹も逃げ出さぬよう張り詰めているから、逃げ出すことはもうできなかった

捨てられなかったからいけなかったね


あしたの朝に芽吹くのは、

振り返るほどに鮮明に、美しくなっていく気がしている(気がする)

僕たちはいま分たれた、それはほんとうは十字路なんかでは無くて

行き止まりの崖から一歩踏み出した

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悪魔、岩、存念 Joyman @rosssse

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