第5話 出勤
嗚呼、鮨詰状態だ。なんで日本人はこのような状態を好んで作るのか。
脂ギッシュなおっさん。読書をする若者。キャハハと笑うJK。外国人が、満員電車の写真を撮りたがるのも無理はない。異形無象、老若男女がぎっしりと鉄の塊に収まっている。押し寿司か。
「化学の木村の宿題やるの忘れた〜」
なんて声にハッとして通過駅を確認する。ああよかった、まだ大丈夫だ。
俺のいつものルーティン、電車の中でクラシックを聴きながら推理小説を読む。30分くらいの時間を有意義に使おうと始めて、これが意外とよかったので、なんだかんだ7年くらい続けてんじゃねーか。飽き性の俺のことだ、どうせ3日くらいでやめるっしょ、なんて思っていたら意外と長続きしているので、本人が一番驚いている。
次は品川、品川。
ぞろぞろと降りていく人たちに続き、鉛の塊が足についたのかと思うくらいの足取りで、オフィスへ向かうのであった。
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