第4話 いつもと変わらない朝

 ジリリリリリリリリリリ!


 ジリリリリリリリリリリ!


 朝か。7:30だ。嗚呼、憂鬱な朝だ。また今日もあの深田を見ると思うと気分が沈む。


 ゆっくりと、そしてダルそうに布団から這い出て、朝食の準備。コーヒーと目玉焼きと焼いたパン。いつもの。


 あ、確か今日は燃えるゴミの日だ。冷凍食品、インスタント食品の袋で満載。作ってくれる人が欲しいな、と思いつつ、パンとコーヒーが出来上がるまでの時間で縛り上げ、玄関へ。


 チン!


 ナイスタイミング。いつもの変わらない朝。ニュースはつい先日開業したばかりのネコカフェの特集をやっている。今度行ってみようかな。


 趣味という趣味ではないが、コーヒー豆を焙煎して、自分で挽いて淹れたことがある。焙煎時間や火力、豆の品種なんかに気をつけながら、鍋でひたすらシャラシャラと。


 結果はご察しの通り、やたらと苦いコーヒーができた。ほろ苦いのレベルを超えている。

 それ以来、コーヒーはインスタント、しかもA社の緑のブレンド、と心に誓っている。

 そして8:00前にはアパートを出る。所謂ルーティンのような、朝の時間。なんとなく、今日はうまくいきそうな気がした。

 管理人の、いつも暇そうなおばさんも心なしか忙しそうに動き回ってる。気のせいかも。

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