第3話 ん?
神奈川県某所。2LK、月6万の格安アパート。ペット禁止。
あのクソタコハゲオヤジ、何時間説教すんだよ!と内心思いながら、自宅の鍵を開ける。
時計は22:33。よし、レンチン白米、インスタント味噌スープ、冷凍の野菜たっぷり八宝菜で優雅なディナーだ。とりあえず缶チューハイを開けていただきます!
嫌なことは忘れよう。
あのタコタコタコ、帰るタイミングを見計ったかのような登場の仕方。絶対に待ち伏せしていたに違いない。そう思いつつ俺は中途半端に温かいディナーを食べる。
もう少し温めればよかった。
しかし、あの罵詈雑言は凄まじい。録音しておけばパワハラで提訴できるレベルだと思った。誰も居なかったことを良いことに、「馬鹿」だの「アホ」だの「辞めろ!」だの言いまくってた。すいませんでしたとしか言った記憶しかない。
ストレス発散か?嫁と娘に出て行かれたストレス発散相手か?俺は。嫌になるぜ全く。過労死だの、パワハラだの、訴える側の気持ちがよくわかる。
とりあえず風呂だ。あの紫色の人造人間のアニメで、アラサー手前の大雑把でガサツなお姉さん(?)曰く、「命の洗濯」とかなんとかだったような。とりあえずサッパリしよう。その前に部屋の外を見た。電飾やビルの明かりがここからでも見える。星は全く見えないが、美しい宝石のように光り輝いていた。
一瞬、何かが通り過ぎたような気がした。気のせいか。
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