第18話 つまり僕らは付き合う事に……

 いろいろとんでもない展開と化した様だが、当事者の僕が一番追い付いて行けてない状況だ。

 阿部達と食べた食事も、何故かデザートとして最後に頼んだパンケーキを、阿部と立川愛菜のお節介で、瑠璃花と分け合って食べさせられ、そんなに瑠璃花が食べられなかったから、胸も腹もいっぱいだった僕が、男気を見せたい一心で食べ過ぎて、帰りには気持ちが悪いのを堪え抜いたから、そんなに会話が弾む訳もなく………。


「耀ちゃん怒ってる?」


 帰りの電車で空席に瑠璃花と座って、胃のもたれにウプウプしていると、瑠璃花が僕を覗く様に聞いて来た。


「やっ?怒るって……」


「……じゃ、大丈夫だよね?」


「あー?……うん……」


 瑠璃花の弾けて眩しい程の笑顔を見ると、僕は保育園の時から見惚れてしまう。たぶんきっと、物心ついたその時から、瑠璃花の笑顔は僕の思考を全て停止させてしまうのだ。

 だけど瑠璃花の笑顔は、昔の笑顔とはちょっと違っていて……そしてきっと僕の受け止め方も、全く違ってしまっているのかもしれない。

 反対側の座席に仲良く座って、顔を近づけて話しをする阿部と愛菜を見ると、それは楽しそうで愛菜はそれは可愛い笑顔を向け、阿部は阿部じゃない程にカッコ良く見えた。

 ………そして僕らもああ見える様に、少しずつ日々を過ごしていく様になるのだろう……

 

………つまり僕らは、付き合う事になった様だ………




 瑠璃花・耀・愛菜・阿部・・・・




 瑠璃花は弟のこうちゃんが生まれると、ママが困惑する程に可愛いがってお世話をしている様だ。

 だが話しを聞く限り、散々僕にした様な事がほとんどの様だ。


 ………いつかこうちゃんが、瑠璃花に押しつぶされるんじゃないか……


 と、ママは気が気ではないそうだ。

 だが今の瑠璃花は、足元がおぼつかない訳ではない。なのに瑠璃花は、平坦なフローリングで躓いているという。相変わらずの鈍臭さだ。

 そして何より小さいくせに、抱っこをしようとするから、ママは目が離せないという。


「ヤー!!!」


 そんな瑠璃花が、保育園で僕を抱っこする。

 順調に成長して、クラス一大きな瑠璃花は、一年近く遅生まれで小さな僕を持ち上げる。

 だけど僕は怖くて、声を上げて瑠璃花を押しやるから、先生は飛んで来て瑠璃花を僕から引き離す。


「瑠璃ちゃん、危ないからダメよ〜」


「ヤー!ようちゃんちゅき」


でもイケマセン」


「ようちゃん、ちゅき……」


 逃げ回る僕を瑠璃花は追いかけ回す、それを先生は何度も止めに入る。


 ………瑠璃花、お前のちゅきは怖すぎる………


 僕はその時から、瑠璃花の好きはヤバイと、なんとなく察してしまったんだ。





瑠璃色の瑠璃花は僕を好きである・お前の好きは怖すぎる!……終……

愛菜ちゃんの親心?次のお話しが最終話!

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