第20話 裏切り
「これでとりあえずは大丈夫だな」
クリスタル王は先程手に入れた兵士の訓練等をする施策を考えていた。
「ここはこうして……。そうだ!弓兵の増加も図らないといけないから、戦利品のうち1000の兵士には弓の訓練をさせよう。彼ら3名には休息をさせないとだめだな」
クリスタル王は紙に着々とこの先のことを書いている。さらに皇帝との戦いで壊れた壁の修正など……。
「ふぅ〜。ひとまずこの辺でいいか」
とりあえず終了したので一息つく。そしたら、ドアからノックと一人の声がする。
「父上?いますか?私です。ちょっとお話があるのですが……」
「おう。入ってよいぞ」
用事があると言って入ってきたのはイスリアだ。話とは例のあれかな。
「父上……お恥ずかしい話なのですが……。あの、なんと言いますか。体が発情してしまい。下の方がムズムズするんです……。私の相……手をしてくれませ……んか……」
そう、イスリアは定期的にやらないと発情してしまい、やらないと風魔法をブッパしてしまうのだ。つまり、イスリアは生まれてきてからまだ1回もやったことがない。なので欲が貯まっているのだろう。
「やはりその話であったか。好きな人とじゃないとやだとか言ってやってこなかったのは、イスリアじゃないか。ボーマは君のことが好きなようだから彼にしたらいいじゃないか」
「そ、そうですが……が、我慢のげ、限界でして……」
その時、後ろのドアから一人思いっ切り開けて入ってきた人物がいた。なんという、幸運だろうか。ボーマである。
「クリスタル王!俺はなにをしていけばいいんでしょうか?今後の方針は決まったのですか?ん?うわああ!」
ボーマは勢いよく入ってきながら喋っていた。その勢いのあまり、目前にいたイスリアに激突。痛そうだ。イスリアは興奮状態で会ったため、ついに我慢できずにイスリアは態勢を立て直して、ボーマに振り向いてキスをした。そこからなにをしたかは言うまでも無いだろう。クリスタル王はその間は邪魔だろうと、部屋から出て行った。
「イス……リア……」
俺は愕然としていた。イスリアに突然迫られたら無理もない。だが、実によかったというのはある。異世界って最高だなと、つくづく感じたのであった。それからというもの、ボーマとイスリアはずっと一緒に行動していた。嵐は抑えられたのである。
「ボーマくん、はい、アーン」
「ア、アーン」
女子にアーンされるなんて人生始めてだぞ。その時、事件は起こる。何者かが、ユウを連れ去ったという報告があがったのだ。
「なんだと!?食事している場合ではないな。今すぐ向かわねば」
「わ、私も行くんだから!」
そして、現場に辿りつく。そこにはユウが鎖によって首吊りされていた。まだ、生きているはずだ。
「ユウーーーー!大丈夫か!?しっかりしろ!ユウ!!」
「ん、んぅ……。わ、私はいった……い」
「おおお!起きたか……よかっ……た。早く鎖を斬って脱出しよう!ふん!」
俺は剣を抜刀して思いっ切り鎖を断ち切る。イスリアはなにかを感じとったようで。
「ボーマくん、なにか……なにか邪悪な気配を感じる。早く逃げなきゃ……」
「ああ!わかってる!ユウ!無事だよな!?」
鎖を断ち切った時にユウが落ちないよう、ちゃんと手で抑えて助かった。
「う、うん。大丈夫だよ。助けにきてくれてありがと……う!」
「グサッ」という音と共にボーマのお腹から、すごい量の血が出てきた。
「あ、ああ……。なん……の真似だ……ユウ……。」
「ドサッ」という音と共にボーマは地に伏せた。
「ボーマくん!!!!!」
イスリアは泣き叫ぶ。しかし、叫んでいてもなにも始まらないのである……。
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