第11話 合流


主人公である俺こと高橋龍生兼ストレンジャー・ボーマは現在、師匠であるサド・アウストロと共に師匠の娘であるユウ・アウストロがいつも買い物行く時によく通う店へ向かった。


ここは市場のようで辺り一面店だらけだ。羽の絵が看板に描かれている道具屋、2本の剣とその真ん中に盾が看板に絵描かれているあれはおそらく武具屋だろう。


果物らしき絵が看板に描かれているのは、きっと果物屋。その隣には、スプーンらしきものとフォークらしき物の絵が看板に絵描かれているあれはおそらく、食器屋だろう。


この世界に来て一年経つけど、はじめてこの世界の店を見た


「店がすごい本格的だ……」


と、ボソッと呟いていたら隣の師匠が声をあげる。


「あそこにいるのはユウではないのか!?おーーい!ユウ!こっちへ来なさい!」


なにやら食べ物屋で買い物の真っ最中だったらしいユウがこちらを振り向いた。本当にユウだった。


かなり目立つ汚れた服を着ている。朝起こされた時には、顔に傷があったのに今はない。おそらくこの世界にも、銭湯が存在するのだろう。


「お、お父さん!?ちょっと待ってて!買い物終わったらすぐ行くから!」


かわいらしい声で反応されたので、話かけた側でもない俺は赤面をしてしまった。なんという恥さらし……


「お待たせ、お父さん。出かける約束にはまだ早いけどどうしたの?まあ、今買い物終わったけど」


「よし」


師匠は了解すると、ユウの右腕を掴んで勢いよく駆け出した。俺も鍛えられた筋力を活かして、一緒に走り出す。


それから2日経ち、ようやく東領に到達した。ザッカーラという街は、帝国領の真ん中に位置しており、東領にかなり近い。


「やっと東領に着いた……」


三人同時に異口同音とため息をついて、ひとまず宿を探す。村人に質問しながらたどり着いた宿は、かなり高級そうな建物だった。


「わ~!すっごい綺麗……」


ユウは、感激していた。俺はそれに相槌を打ったあと、見とれている二人より先に前に出て宿へ先に入り、チェックインを済ませた。二人に、飯も風呂もあると知らせたらめっちゃ喜んでくれた。


それから朝になりーーー


「よく寝れたぜ」


「だな」


「うん!」


ちなみに、ここに来るまでユウにはなぜ来たのかということは伝えてある。なにがあったのかもね……。


そして、俺たち一行はクルーツ家の屋敷に到着した。ドアをノックすると、中から役人らしき人が出てくる。


「あの、どちら様ですか?」


俺が進んで的確に答える。


「私は、ストレンジャー・ボーマと言います。鍛冶師をしていました。クルーツ家の当主に会いたくて、ザッカーラという街からやってきました」


「ザッカーラからわざわざ来客とは……さては、帝国軍からの差し金か?」


「いえ、その逆です。私たちは帝国に反逆しました。なので、反乱軍の主犯であるクルーツ家に会いたかったのです」


「なら、よろしい。入って二階の玉座の間 へ、案内しましょう」


俺は、玉座の間という言葉に首を傾げていた。玉座の間ってことは、クルーツ家は独立でもしたのかな?


そして、玉座の間へたどり着き役人らしき人がドアを開ける。まだ、心の準備ができてないのに……


そして、玉座の間の一番奥にある玉座では、大人が座っていた。超イケメンな20代ぐらいの男性である。その右には、見たことある……髪の色、姿、身長は最初にあった時より当たり前だがちょっと低い。年頃の綺麗な女性がいた。左には、見たことのない男性だ。いかにも、俺様感を出している出で立ちである。


ああーーーあれがイスリア……やっと……やっと会えたな……どっかで聞いたことあるセリフを吐いて、感動の涙を流したーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る