第9話 魔力覚醒

私は、骸骨騎士を倒してネオ・グランデに向かって一直線に走り、渾身の剣による一撃をお見舞いさせようとするが。


ネオ・グランデはまた、召喚魔法特有の紫色の魔法陣を出現させて魔法を唱えた


「グラーバ・ネタバ・ウォール・アタッカー」


すると、地面に現れていた魔法陣から二体の魔物が現れる。まず、頑丈そうな見た目をしていて岩のような物から体ができていて、かなりデカイ。二体目は、剣を2本装備している。身長は、私達人間と同じくらいだが剣を2本装備しているので、かなりの腕力の持ち主といえよう。


二体目もまた、骸骨頭をしていて、こちらはちゃんと服を着ているようで黒色の長袖シャツである。


「また召喚魔法を……魔法使いは、魔法に頼ることしかできないのか!!」


私一人でこの二体を相手にとるのは、なかなかきつい。ここで戦死する可能性も十分ある。


しかし、私は諦めずにまず最初に襲ってきた2本の剣を装備する魔物から相手する。こちらは、左手の剣から降りおろしてきたのでそれをまず剣で押し返す。


しかし、彼は言わば二刀流だ。右手にあったもう一本の剣を下から斬り上げようとしてきたので、私は、危うく深傷ふかでを負うところだったため。


それが体に触れる寸前に、勢いよく後ろに回避する。骸骨騎士は「カカカカ」と、金切り声をあげているので余裕そうだ。


「クッ、どんな好敵手がいるかワクワクしながら来たというのに……魔法しか使わないではないか……しかも、召喚された魔物はどうやら主の命令によって動いているようだし……」


その証拠に、一体目の巨体魔物は全く動いていない。


「魔法ばかりでは、不満か?貴様も魔法使いのようだが。剣による戦闘しかできないのかな?」


彼は私が、骸骨騎士と戦っている間に喋り続ける。


「俺だって剣の心得がないわけではない。しかし、俺は魔法の楽しさを知ってしまったがために剣の道をあきらめた。召喚魔法で私は、生き抜こうと決意したのだ。今使った召喚魔法は、まあ、まだ中級ぐらいだな」


私は、舌打ちする。こんなやつに、騎士の道を諦めたやつに……負けるわけには、いかないんだ……!!


私が、そう決意すると、体の中にある魔力が反応する。体内があまりにも痛い。これは、彼女の魔力が覚醒し、一段強い魔法を放てるようになったり、魔力が増大するようになる前兆である。


私は、七代賢者の一人でありながら皇帝に協力しているあの男を許せない……!神様……もし、神様がいるのであれば、私に絶大な力を与えてください……彼に勝てる、最強の力を……。


すると、さらに体内の魔力が強く反応し、さらに痛い刺激が迸る。


今まで戦ってきたが、ここまでの痛みを感じたことはない。私を、強い光が包みこむ。すると、ネオ・グランデは驚きながら声をあげる。


「な、な、貴様……それは、その現象は……魔力覚醒の合図ではないか……魔力覚醒を目の当たりにするとは……生きててよかった……違う、そうじゃない!早く止めねば。ダブルソルジャー《二刀流の騎士》!やつを殺せ!殺すんだ!」


ダブルソルジャーが襲いかかり、斬りつけてくる。しかし、私を包む光がそれを許さない


こうして、私は、光が激しくなりつつあるのを体で感じとる。そしてついに、光が段々と消えていきーーー


私に魔力増大と、前より一段強い魔法が使えるようになる知らせがあった。

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