第45話 〜特訓だぁ〜!!〜

「やぁ〜!とぉ〜!!」


「良い感じだぞ!ノーレ!!」


 あの日から父さんとノーレは一緒に特訓するようになった。

 まあ、特訓と言っても父さんの体にパンチやキックをしているだけなのだが、そこには絶対にツッコマないから!。

 俺はいつものように畑で仕事をしていると、急に青い波動のような物が俺の横を走り去った。

 それを見て父さんが俺を驚かそうとしたのかと腹を立ててそちらを見たのだが、それを放っていたのはなんとノーレだったのだ!。


「あはは〜!!なんか出た〜!!」


 きゃっきゃっとはしゃぐ彼女だったが、俺と父さんはびっくりしていた。


(ノーレがかめ◯め波出しちゃったよ!!)


「凄いぞノーレ!!、まさか特訓1日目でも拳聖波を会得するとは!!、では次のステップに進むぞ!」


「お〜!!」


 きゃっきゃっとはしゃぐ妹が少し怖く感じる俺。


(いやいや、流石に今のはマグレでしょ...)


 俺がはははと笑っていると...。

 妹のオーラが赤色に変色したのに気がついた。


「なんだこれ〜?」


 不思議そうな顔をしているが、あれは界◯拳である。


「凄いぞ!!ノーレ!!、まさか拳聖拳まで体得してしまうとは...!、将来が楽しみだな!」


(なんでこんなに早く技を覚えて行ってんの!?、もしかして拳聖の技って大したことないのか!?)


 思わずそう思ってしまう俺。

 だって妹があんなに早く二つも技を会得してるんだよ?、流石に疑いたくなるわ!。

 畑仕事をしながら二人の様子を伺う。

 流石に会得したという程では無い様だ。

 もう一度発動しているが、先ほどのような威力は無い。

 一応気功波のような物は放出しているのだが、あまり遠くまでいかない様子。

 妹の才能に少し嫉妬してしまいそうになるが、これで俺が拳聖とやらにならなくてよくなるのであれば寧ろいい兆候である。


「凄いなノーレ!!、その調子ならすぐに拳聖の名を継ぐことができるんじゃ無いか?」


 俺が褒めてあげると、満面の笑みを浮かべて俺の方を見てきた。


「ほんと!!?、わーい!!お兄ちゃんに褒められた〜!!」


 そこら中を走り回る妹を見た俺は、思わず笑みが零れるのでした。

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