　私はタルトの畑でエルシーさんと剣の練習をしていました。

　相変わらず凄まじい剣技見せてくる彼女でしたが、これで踊り子だと言うのだから驚きです。

「どうした？へばってるぞ」

「まだまだ...、もう一本お願いします」

　何度当たってもかすり傷一つ付けれる気がしません。

　私は正直に言うとあまり頭が良くありません。

　タルトのように機転がきくわけでもないし、エルシーさんのように経験豊富なわけでもないのですが、この負けん気だけは誰にも負けたくないのでした。

「ハァハァ...」

　息を切らしながらその場に倒れこむと、彼女は私の顔をのぞいてきます。

「ちょっとずつ上達してるよ、このままいけば村一番くらいの剣士にはなれるんじゃない？」

「本当ですか！？」

　ガバッと起き上がったので彼女のおでこがぶつかった。

「痛〜い...」

　お互いにおでこを抑えながら振り向き、少し笑い合います。

「まあ、実戦で戦えるようになるにはもっと訓練が必要だけど、そこら辺の魔物の駆除程度ならもう簡単にできると思うよ」

「あのでっかいウサギにも勝てますかね！？」

　私は目を輝かせながら彼女の聞いて見たのだが、返ってきた答えはNoだった。

「さっきも言ったけどツバキはまだ実戦で戦えるほどじゃないんだ、中型の魔物と戦えば間違いなく命を落とすからもう少し考えようね」

「そうですか...、答えてくださりありがとうございます」

　頭を下げて彼女の指導をしっかりと聞く。

　この村を守れるくらいには強くなるのが私の夢だ。

　女の子だから守られるだけってのは絶ぇぇぇっ対にダメだと私は考えている。

　まあ、大半の理由はタルトの父さんが村を守る姿に憧れを抱いたというのが1番の理由ではあると思う。

　魔物の群れに臆することなく悠々と立ち向かって姿にとても惚れ込んでしまったのだろう。

　拳聖と称しながら、あの時発動した巨大な剣を見た時から、私はいつか大剣を振り回したいと思うようになったのだ。

　私が彼女の指導を受けていると、突然こんな事を言い始めた。

「今日はもう少し言いたい事があるからツバキの家に泊まってもいい？」

　急な事だったので、心臓が飛び出るかと思う私であった。

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