第40話 〜まずい!!〜
「では今すぐリンと魂を合体させるのだ!」
いきなり父さんに訳わからない事を言われる俺。
「合体って何?」
「言ったままの意味だ、俺達拳聖は森の動物達からその魂を借りる事で大幅に能力を向上させることが出来る、お前の場合はリンだな」
そう言われたので俺は彼女の方を見る。
(こいつが?、いやいやないだろ!お父さんのは虎だぞ!、虎ならパワーが上がるとか言われても違和感ないけどリスの力借りても大差ないだろ!てかむしろ弱くなるんじゃねぇのか!?)
「ああもう!!分かったやってやる!!」
疑わしいが取り敢えずやってみる。
前世の漫画とかではこういう時こうやってたな...。
「フュー...ジョン!、ハッ!!」
俺は1人で某有名漫画の真似をしたのだが、父さんは固まっていた。
そりゃそうか、あっちからすれば意味不明なダンスのようにも取れるだろうからな...。
俺が恥ずかしさのあまり硬直していると、意外な答えが帰ってきた。
「タルト...、なぜお前が拳聖の奥義で扱う
「えっと...、感かな...」
「やはりお前も拳聖の血筋か...、良かろう、ならばお前に我らにまつわる基本技を教えてやる、よ〜く見ておけよ」
そう言いながら俺の見覚えのある構えをする。
「け〜んせ〜い破ぁぁ!!」
(それやっちゃダメぇぇ!!)
父さんがそう言うと青白いエネルギー体が前方に飛んで言った。
木々を何本かなぎ倒しその威力の凄まじさを語っているのだが、それよりももっと大事な事を父さんに伝えておきたい。
「父さん!!、その技は二度とやらないで!!」
「何故だ?」
「何故だ?じゃないんだよ!、とにかくその技はダメ!」
必死に言いよる俺を見てようやく諦めて次の技を教えてくれることになった。
「拳聖破を継承したくないというのであれば仕方ない、次の技に行くぞ」
「まだあるのか!」
「これは基本エネルギーを増幅させ上手いことコントロールすれば永続的に全能力が向上する技だ」
この説明文を聞いただけで嫌な予感しかしない俺。
「拳聖拳!!」
「やっぱり!!」
父さんの体に赤い闘気がまとわりつき戦闘力を上げているのだが、これもまずいと思った俺は止める。
「ちょっと待って!、拳聖の技ってそんなのばっかなの!?」
「何をいうか!、まだ拳聖玉や拳聖パもあるぞ!」
(ダメだこりゃ!、やめさせよう!)
俺と父さんの言い合いは夕方まで続いた。
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