第6話〜リス〜
「え〜と...君の名前はリンって言うんだよね?」
俺は少し疑うように目を向ける。
彼女は「はい」と明るく答えてきたのでさらに驚く。
ちゃんと受け答えできているのだ、目の前のリスが。
驚かない方がどうかしている。
「に〜に、そんなことで驚いてないで遊ぼうよ!」
ノーレが元気よく走り出したので俺は追いかける。
綺麗な湖の中に飛び込んだので、俺は踏みとどまる。
「ノーレ!?服がびしょ濡れになるぞ!」
俺は注意したが、彼女は無邪気な笑顔ではしゃぎ続けている。
「に〜にも早くおいでよ!気持ちいいよ!」
バシャバシャと水を飛ばしてくる彼女を見た俺は「よ〜し!」とやる気のある声を出して湖に飛び込んだ。
そして妹と水の掛け合いっこを楽しむ。
本当にこれだけの行為が楽しいと思えてならない。
前世では明らかに嫌われていたので、こんな事すら出来なかった弊害が今に繋がっているのだろう。
自分を慕ってくれている人と遊ぶのはかなり気持ちがいい。
「私も入れてください!」
そう叫ぶながらリンが湖に入って来た。
「リスって泳げるのか!?」
俺は注意をしたが、彼女は普通に泳いでいた。
これも異世界の謎パワーのせいなのか?。
そう思いながらも、今日は3人で水遊びを楽しんだ。
帰り側になると寂しそうにこちらを見つめてくる彼女に俺たちは笑顔を向ける。
「また来るよ」
「はいっ、いつでもお待ちしております!」
こんな簡単な約束をできる事が嬉しく思う。
俺とノーレはビチョビチョになった言い訳を考えながら帰り道を歩いていた。
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