その5

 とある森の中、翌日の泉。

 それはもう、会話の堂々巡りに溜め息が出る面倒さ。


「やっぱり、水抜こうぜ。底をさらえば見つかるって」

「ここは私の住み処」

「おう」

淑女レディの部屋」

「女神だけどな」

「人の目に触れさせるなど、とんでもない!」

「……まさか、恥ずかしいからとか言う?」

「溜まっているのです」

「何がよ」

「洗濯物?」

「洗えや!」

「生ゴミとか」

「捨てろや!」

「シンクにどれほどの食器が積み上がっているか、人の子であるあなたには到底、図り知れないことでしょう!」

「ドヤるなよ! 掃除しろ、今からやれ、ほらやれってば!」

「時は永劫に輪廻し果て――」

「それもう聞いた。言い訳はいいから、片付けてこいよ。病気になるぞ」

「少し、時間を頂いてもよろしいか」

「どれくらい?」

「五日……いや、一週間くらい?」

「ゴミ溜めの女神って立て札つくられたくなかったら、三日でやれ!」

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