第3話 2学期スタート

 二学期に突入した。

 なんとなく気がつくと夏休みが終わっていた。

 直前になってようやく学校の宿題が終わり、ほっとつくのも束の間で、そのまま始業式が終わっていた。

 2学期になると夏休みの時よりも勉強しないといけなくなるだろう。

 クラスの雰囲気もピリピリしてきた。

 笑い声は今まで通りに聴こえてくるけれど、今までのように心から笑っているような教室を破壊しそうなまでの爆笑というのは極端に減った。

 志望校はみんなバラバラだけれど、同じ受験仲間でもあるが競争相手でもあるのだ。

 そうこうするうちに、学校の担任の加藤先生が一人だけ浮かれたような様子でこう言った。

「皆さん、10月に行われる文化祭に向けて準備をしていかないといけない季節になりました。高校生活最後の文化祭を全力で楽しみましょう。

 しかし、それだけに気を取られてはいけません。大学受験日は刻一刻と近づいています。日々の勉強も疎かにせず、頑張ってください。」


 今の時期に、文化祭なんていう代物で浮かれなければならないのが辛かった。

 しかも、グループに分かれて模擬店を出店しなければならないのだ。


早速、終わりのホームルームで模擬店の出し物の候補と、役割決めを始めた。

学級委員の小林くんが、ここぞとばかりに張り切っていた。


「皆さん、自分のやりたい出し物と、やりたい役割を紙に書いて提出してください。

期限は、明日までです。希望制でもし希望者が多かったら、話し合いで決めてください。」


まあ、小林くんは前の体育祭の時の応援リーダーもしていたし、生徒会にも入って活動している生粋のリーダー的存在だ。

しかも、勉強も出来て同じ塾に通っているが、特進クラスなのだ。

内申点もいいみたいで、何よりも学校生活を満喫しているような感じが羨ましかった。

自分は、悩むのもめんどくさいので、結局暇そうで儲かりそうな今流行りのタピオカ店と食材準備班を書いて提出した。

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