第10話

 僕と祐介と純平が僕の部屋でぶっちゃけた話をした後、3人で勉強をしていた。ぶっちゃけた話をしたのは良いが、かなり気まずい。そんな事を感じていると、助け船が来た。


「ヤッホー 男性陣の勉強は進んでるかい?」


僕達3人の空気が気まずいものと感じ始めた時に、楓、真子、夏菜の女性陣が僕の部屋にやって来た。


「あぁ、今さっき勉強を始めてた所だな」


僕は楓の質問にそう答える。


「え? 今さっきって事は、それまでは全然勉強してなかったって意味? 何してんのよ」


「ちょっと勉強を始める前にゲームしてたんだよ」


僕は夏菜の質問にそう答える。まさか、勉強を始める前に幼馴染の誰が誰を好きかって言う事を話合ってましたって言う事はできない。


「俺達の事も良いけど、女性陣は何してたんだ? わざわざ、部屋分けさせてよ」


「私達は少し探り合いって言うやつをね やってたのよ」


純平の質問に真子がそう答えた。


「探り合いって?」


「そこまでは言えないわ」


僕の質問に楓が答える。


「ねぇ、そんな事より部屋分けないでさ、6人一緒に勉強始めない?」


楓がそう提案すると僕達、男性陣は頷く。勉強道具をリビングに持って行こうとすると、真子がこう言ってきた。


「ねぇ、真ちゃんの部屋広いし、真ちゃんの部屋で今日は勉強しない? そうすると手間も省けるし…」


「ん? まあ僕の部屋は広いから6人分、勉強できるスペースはあるけど、リビングの方がやっぱり広いし、リビングでやった方が捗りやすいと思う」


「私は、真ちゃんの部屋でやった方が今日は捗りやすいと思うけど、それでもダメ?」


真子はそう言って、僕に向かって顔を傾けた。僕はそんな真子の姿にドキッとした。真子は祐介が狙ってるのに… 祐介を見るのが怖い。それに美少女が顔を傾けるのはずるいと思う。


「まぁ、そこまで言うのなら別に僕は良いけど…」


「本当? やったー!!」


僕が真子にそう言うと真子は嬉しそうな顔で言う。祐介を見ると、複雑そうな表情をしている。僕は祐介に対して申し訳ない気持ちになる。それに楓も何か気にいらない事でもあったのか、不機嫌そうな顔をしている。


 こうして僕の部屋で、勉強会をする事になったのだった。僕達は集中して問題に取りかかる。何か、やっと本題に入った気がする。わからない所はお互いに教え合う。真子はテストでは常に学年トップという輝かしいものがあるため、真子に教えて貰うと結構わかりやすい。僕が分からない問題でも真子は丁寧に教えてくれて、問題がスラスラと解ける様になっていく。純平と楓も真子に教えて貰ったり、自分で解いてみたりしている。祐介と夏菜は自分の力だけで勉強を進めている。2時間くらいは勉強しただろうか? 楓が急にこんな提案をしてきた。


「はぁ 勉強ばっかりだと疲れるからこれから、休憩として人狼ゲームでもやらない?」


人狼ゲームとは狼は誰かを当てるゲームで、プレイヤーは市民、人狼、占い師、騎士などのどれかになる。人狼は人を殺すため、プレイヤーの中から人狼だと思われる人を当てなければならない。人狼は市民、占い師、騎士などの設定を持つプレイヤーを殺す事が出来る。占い師はプレイヤーが人狼かどうかを当てる事が出来る能力を持っていて、騎士は占い師を守ることができる。しかし、騎士は自分が騎士だと名乗ったら騎士はすぐに人狼に殺されてしまうので注意が必要だ。昼の設定があり、その昼の間に市民に混ざってる人狼を当てるためにプレイヤーの中で話合いが行われ話合いの中で人狼と思われる怪しい人を皆で処刑する事が出来る。しかし、処刑するのもそのプレイヤーは人狼では無い事もあるので注意が必要だ。そんなゲームを楓がやろうと言っている。


「まぁ 別に良いんじゃないか?」


祐介はそう言う。他の皆も頷いている。こうして僕達は6人で人狼ゲームと言う心理ゲームをやる事になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る