第9話

 祐介と純平は真剣な表情をして僕の次の言葉を待っている。

「ってか、楓か真子どっちが異性として好きかって僕の選択肢は楓か真子しかないのか?」

「え?真也 今好きな人いないのか?」

祐介が驚いたような表情をする。

「うん 僕は恋した事ないし、恋ってどういうのが恋って言うのかわからないしな」

「へー そうなのか? つまんねえ奴だな」

純平がつまらなさそうな顔をしている。

「よかった…」ボソッ

「祐介、何か言ったか?」

「別に何でもねーよ!」

祐介が何か言ったみたいだが、声が小さすぎて聞き取る事が出来なかった。ってか、そのボソボソと喋る感じ最近流行ってるのだろうか。




楓視点

 今日は待ちに待った真ちゃんの家で勉強会の日だ。最近、幼馴染6人で遊ぶ機会も減ってきている感じがしたので勉強会という名でも6人で一緒にいれる事が嬉しかった。そして、私は今日のこの勉強会で真ちゃんとの距離をもっと詰めたかった。私は真ちゃんが好きだ。幼馴染としてでは無い。異性として、1人の男性として私は真ちゃんの事が大好きなのだ。だから、真ちゃんに私が真ちゃんの事が好きだって言う事をアピールするために、真子ちゃんと夏菜ちゃんに協力してもらう為に私は,幼馴染の女性同士で話をしておきたかったのだ。だから,私は真ちゃんの家に着いて,真ちゃんのお母さんに挨拶をした後,私と真子ちゃんと夏菜ちゃんの3人きりで話をする為に、私はある提案をする。

「ねぇ、今日は最初は同性同士、部屋に分かれて勉強しない?」

私がそう提案すると、真子ちゃんと夏菜ちゃんは何かを感じ取ったのか、2人共頷いてくれた。私達は夏菜ちゃんの部屋に入ると腰を下ろした。男性陣は真ちゃんの部屋にいる。私は2人に話しかける。

「2人共ごめんね? 部屋を分かれさせたりして」

私がそう言うと真子ちゃんが話す。

「別に良いよ 何か私達に男性陣に聞かれたくない相談があるから部屋を別々にしたんでしょ?」

やっぱり真子ちゃんはすごい。私が何か相談事があるという事を察してくれたみたいだ。

「う…うん 実はそうなんだ 二人には黙ってたんだけど、実は私、真ちゃんのことが好きなんだ!! 幼馴染としてじゃないよ!? 異性として!!真ちゃんが好き!!」

私は真子ちゃんと夏菜ちゃんに興奮気味で話す。自分でも顔が赤くなってきてるのがわかる。すると、真子ちゃんが爆弾発言をする。

「へー 奇遇ね、実は私も真ちゃんのことが好きなの」

「「え?……」」

私と夏菜ちゃんは驚く。まさか、真子ちゃんが真ちゃんの事を好きになるなんて… 夏菜ちゃんは私が真ちゃんの事を好きだと言ってからずっと驚いた表情をしている。それもそのはずだって、幼馴染として接してきた人がいきなり2人も自分の兄の事が好きだと言っているのだから。真子ちゃんは私に話かける。

「ひょっとして、楓ちゃんは私は真ちゃんの事が好きだから、これから影で真ちゃんに私を振り向かせるために応援をして欲しいと私と夏菜ちゃんに頼み込もうとしてたのね?」

私は、真子ちゃんの推理が全部当たってた事に驚き、ギクリとなる。

「その様子だと図星だったようね… でも私はいくら幼馴染が真ちゃんの事を好きだって言っても私は、真ちゃんの事を諦めるつもりは無いから」

「わ…私だって真ちゃんの事好きだから!!真子ちゃんに真ちゃんを譲る気はないから!!」

そうだ…私は真ちゃんが好きなんだ。いくら生徒会長で美人だからって真ちゃんを譲る気は私は全く無い。真子ちゃんが話す。

「ふふ… 私達、幼馴染でもあり、ライバルにもなったのね」

「そうだね…真子ちゃん 真子ちゃんには負けないよ」

「2人共、頑張れ!!」

夏菜ちゃんが私達に応援してくれる。こうして、私と真子ちゃんは幼馴染でもあり、ライバルにもなった。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る