第4話
6時間目の授業が始まる。担任の先生が教室に入って来た。
「今日のLHRは、6月の初めにある体育祭の出場競技を決めるわよー!!」
担任の先生の名前は金子美奈と言う名前である。若い先生で髪の毛は茶髪で髪型は団子にしている。今年で24歳と言う新任の教師であるが新任とは思えない程、授業はわかりやすい。仕事も卒なくこなす。当然、生徒、他の教師にも人気がある。生徒からは美奈先生と呼ばれている。
「じゃ、後は体育委員の山上さんに仕切って貰うから!!山上さんお願いね」
「はい、わかりました」
そう言って教卓の前に出て来た女子生徒の名前は山上明里と言う名前である。体育委員会の委員長である。容姿は金髪で(地毛である)長い髪の毛をストレートにしている。スタイルも良い。性格は明るく、いつも元気いっぱいであり、男女関係なく人気が高い。僕の幼馴染の真子のような存在だ。
「はい、それじゃ体育祭の競技を決めていきたいと思いまーーす!!黒板に競技の名前を書いていくから気になるのがあったら立候補してね!!」
黒板に競技の名前が書かれていき、出たい競技があったらみんな積極的に手を上げていく。僕も50mリレーの選手に立候補し、見事に一発で50mリレーの選手として選ばれる事ができた。楓も借物競争に選ばれたようだ。俊哉は長距離に自信があるため1500mリレーに出るようだ。みんな各自、自分の出る競技が決まり、体育祭の競技決めは終わった。担任の美奈先生が教卓に戻る。
「皆、高校生活最後の体育祭になると思うから、精一杯楽しんで!!それと、絶対に優勝するわよー!!」
「オオ〜!!」
3年A組の生徒全員が盛り上がりを見せる。僕はこの光景を見て思わずため息が出てしまっていた。なぜなら、体育祭と言う物は僕にとってはめんどくさいだけだった。暑い中、外で走り出されたり、踊らされたりするのだ。めんどくさい事この上ない。僕は隣の席にいる楓に話掛ける。
「なー、何で皆、あんなやる気があるんだ?体育祭なんてめんどくさいだけじゃないか」
楓は僕の言葉を聞いて苦笑いをする。
「真ちゃん、しんどい事するの嫌いだもんねー でも、最後の体育祭なんだし、しんどいと思わずに楽しんで行こうよ!!」
楓と話ていると、僕の右斜め前に座っている俊哉が話に参加してきた。
「そうだぞ!!真也、最後の体育祭なんだから楽しんでいかないと損だぞ!!それに優勝したクラスには褒美が貰えるって山上さん言ってたぞ!! これは楽しまないと損だろー」
僕は、褒美に弱い。自分でも現金なやつとわかってはいるのだがそれでも優勝したクラスには褒美が貰えると聞き、今年の体育祭は頑張ってみる気になったのだ。
「へー、そうなのか、じゃーその褒美のためにも今年は頑張りますかねー」
僕の言葉を聞いて俊哉と楓は表情が明るくなる。
「そうだ!!その息だ!!今年の体育祭は楽しむぞー!!」
「真ちゃんが頑張るんだから私も頑張らないとね!!借物競争頑張るぞ〜!!」
楓と俊哉と喋っていると、体育委員長の山上さんがクラスの皆に話掛ける。
「ねー、皆!!私、結構本気でこのクラスで優勝したいの、でも体育の授業の時間は体育祭で踊るダンスの練習があって無理なんだよね、だから、私考えたんだけど皆で放課後残って体育祭に出る競技の練習をしない?もちろん放課後に部活や用事がある人はそっちを優先してくれても良いから でも、残れるのであれば皆残って欲しい!!どうかな?」
「俺は良いと思うぜ〜」
「私も良いと思う!!さすが明里ちゃん!!」
皆、放課後の練習はほとんどの人が参加するようだ。僕は、今日は部活はあるが、はっきり言って部員のやる気は僕を含めて全然無いので、別に2、3日くらい休んでも平気なのだが…
「俊哉、どうする?今日は部活休むか?」
俊哉は、僕と同じ卓球部に所属している。俊哉は卓球部の部長なのだが、部長である俊哉でさえもやる気が無い状態である。
「そうだな、今日は俺は部活休んで、クラスの皆と一緒に体育祭の練習をするかー 真也、お前も部活休むか?」
「俊哉が休むなら僕も休んで今日はクラスの皆と練習するよ、楓はどうする?」
「ごめん!! 私もクラスの皆と一緒に残って体育祭の練習したいけど、今日はバイトがあるんだ〜」
「別に謝る必要は無いよ?」
僕達が振り返ると山上さんがいた。
「私が急に誘ったんだし、三村さんが謝る必要無いよ また、参加できる時でいいから参加してね」
「ありがとうーー!!山上さん!!」
「いえいえ、和田君と野村君は残ってくれるんだよね?」
僕達二人は頷く。こうして6時間目が終わった。美奈先生のSHRが終わり、僕達は掃除を終えて体育祭の競技の練習をするためにグラウンドへと向かっていった。
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