Part.6:リターン・トゥ・ベース










 ズガァァァァァァァン!!!!!





 爆ぜる零式艦上戦闘機をはじめとした艦載機。


 自らを動かす燃料すら炎に変えて、味方を救う為にD.E.E.P.の群れを吹き飛ばす。




「すげぇ……!」


「だな…………あまり褒められた技ではないが……」



 道が、徐々にできて行く。

 あと少し、もう少し……!



「くっ……艦載機が切れた……!?」


 しかし、自爆特攻は限界がすぐやってくる。

 加賀の艦載機が、すでに残っていない。


(まだ数が……!!)



 その時、駆ける一つの影。

 飛び出した白い影は……翔鶴の姿。



「翔鶴!?!」


「ごめんなさい加賀さん。


 お姉ちゃんの称号、返上させていただきます」




 ─────言葉の意味を理解したのは、手元のゼロ戦を見てからだった。


 フリートレスの武器は、その血であるフリートブルーの爆発性を利用している。

 触媒に少し触れただけで、連鎖的にエネルギー変換を起こすということはつまり……




 そう、翔鶴はあと少しの敵へと飛び込んだ。


 直後、これまで以上に凄まじい爆発が、辺りの敵を吹き飛ばす。



 加賀は叫んでいた。

 でも、その名の艦は消え、その言葉は爆発にかき消された。




「────ぁぁぁあああああッ!!!


 うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」



 音が、戻る。

 煙の中から、急いで駆け抜けてくる友軍達が見えても、加賀は叫んでばかりいた。


「加賀さん!!加賀さん!!!」


「翔鶴が!!翔鶴がぁ!!!」


「加賀さん……!」


 駆けつけた大鳳が揺するも、加賀はなお悲痛な叫びを上げる。


「私は約束したんだ!!瑞鶴に……あの人食ったような態度のあいつに!!初めて真面目に頼まれたんだぞ!!

 姉を、翔鶴を頼むと!!!」


「加賀さん、落ち着────」


 直後、バキッ、と加賀の頬が殴られる。

 唖然とする中、その服の襟元を掴むのは───時雨だった。


「目が覚めましたか加賀さん?」


「時雨……!」


「辛い気持ちは痛いほどわかりますけど、


 けど……栄光の一航戦いっこうせんがそんな取り乱して、


 翔鶴さんと瑞鶴さんに、沈んだ二人になんて言うつもりなんですか!?!」



 時雨の言葉に、目を見開く加賀。

 やがて、頭を振って、顔を上げる。



「すまん、時雨。

 ……こんな時に、アイツらに……瑞鶴に笑われるような無様な姿を見せた」


「そうですよ。

 生き残った以上……立たなきゃ、すぐ目の前で笑われるんです」


「ああ……行くか」


 立ち上がる加賀。

 ようやく、皆合流して走り出す。



          ***


「遅くなった!」


「大丈夫ですよー♪ささ、早く帰りましょー!」


 既に確立された次元ゲート技術は、ボク達最高速のフリートレス以外でも通れるようになった。


 各陣営の主要艦から返す……んだけど、


「先に行ってください。殿しんがりは我がクイーンダムが」


「クイーンダムにばかりいい格好はさせません。

 ここはEUFが」


「バカ言ってないで先に戻れ!!

 ステイツが抑えているうちに!!」


 始まったよ……


「じゃあみんなに任せて先に失礼する!」


「こういう時はEURは速いから良いよね……私達も今回は」


 先にリットリオさん達EUR陣営が帰る中、呆れた顔でそう言ったティルピッツさんがゲートへ歩く。


「まったくもぉ……こんな時に……!

 鳳翔先輩、島風くんお願い!

 ちょっと文句言ってくる!!」


「あいあーい」


「我々が率先して戻るか……」


「加賀さん、一応は我々は異次元の経験者です。

 まだ敵もいますし、説得しに行きます」


「火に油は注ぐなよ」


「大鳳さん、気をつけて!」


「ありがとう島風!

 白雪、東雲、ついて来てくれ!」


「あいあい承知!」

「仕方がない」



 高雄さんと大鳳さん達3人が行く。

 これで良いのかな……


「じゃあ島風、先戻っていてくれ」


「ごめんなさいタシュケントさん……あれ、タシュケントさんは?」


「いや、一番速いヤツが残らなきゃダメだろ?」


「……たしかに。ごめんなさい」


「良いって。今生の別れじゃない」


 ボクは、さっきの反動でまだ思う様に動けない。

 鳳翔さんに肩を貸してもらって、先にワームホールをくぐった……



          ***



「ここはクイーンダムが!」


「わがフランキスカが!!」


「いいからステイツに任せるんだ!!」


 譲らないまま、残党のD.E.E.P.を適当に攻撃している陣営の一応トップ達。


「オイオイ、お前ら!!

 喧嘩は結構!!友情を深める儀式だからな!!


 だけど、変なメンツでやるってんなら無しだ!!」




 と、そこへ割って入るのは、夕張だった。




「夕張、でしたか。

 メンツに拘らず、何が騎士かと言わせてもらいましょうか」


「あなたこそ、経験こそ長い物の旧式のフリートレスではないの?

 我々より強い訳じゃないのだから、さっさともどりなさいな」


「夕張、この二陣営は話をきかないぞ!?

 我々ですら手に余る」



「でも言わせてもらうぜ!!


 お前ら周りを見ろ!!

 自分の陣営のダチ達が誰も下がっていないじゃないか!!」



 夕張は、周りにいるキング・ジョージ達やリシュリューにについて来た艦を指差して言う。


「お前らこいつらのリーダーだろ!?

 リーダーがグダグダやってる間に、部下がいなくなったらどうするんだ!?」



「……!」


「っ……!?」



「夕張……君は……!」


「なぁ、殿を買ってくれるのは嬉しいけどよ!

 もう帰ろうぜ……いくら強くても、休まなきゃ永遠に戦える訳じゃない……!」



 一転、キング・ジョージもリシュリューも罰が悪そうな顔になる。


「……すまん、夕張」


 先に謝ったのは、ステイツ。ヨークタウンが頭を下げていた。


「ヨークタウン!」


「二陣営を止められるのは我らだけ。

 その考えが既に傲慢だったな…………」


「ステイツが謝った……!?」


「あのステイツが……!?」


「当たり前だ!

 間違いは認めないと……いけない……!」


「ヨークタウン……お前!

 分かってくれたか!!嬉しいぜ!!」


 握手。ハンドシェイク、拳を打ち付け合い友情を確かめる夕張のいつもの仕草。


「…………我々ステイツは先に戻る。皆、異論はないはずだからな……

 そちらはどうする?」


「……クイーンダムは……引きましょう。

 EUFに今回は譲ります」


「いえ……そもそも我々も最新鋭艦ばかりですわ。

 ここで失うわけには……」



「となると消去法で我々が殿か」



「大鳳!!白雪に東雲!!」


「私もいるよ!」


「高雄も!!!」


「忘れられてるクラスノもねー」


「おまえらも!?」


 と、戻ってきた面々が合流して、駆け寄る。


「そもそも、最後はゲートのスイッチこっち側で押さなきゃ行けないじゃないか。

 そんな速度で走れるのは私だけさ」


「コホン、」


「そんな速度で走れるのは私だけさ」


 後ろで凄い不服そうに見るル・ファンタスクを無視して言うタシュケント。


「よっしゃ!!

 じゃあ後は任せた!!

 みんなで帰るぜ!!地球、行くぞー!!」


 夕張の場違いなまでのテンションの先導は、しかし周りの陣営は苦笑と共について行く。


 いまだ多少の残党がいるD.E.E.P.の牽制は大鳳達が変わり、皆が移動を始めた。




          ***


平海ピンハイ、先に行って!」


寧海ニンハイ姉さん、ごめんなさい!」


「みんな早く入って!!」


 入り口に残った守りは、寧海とアドミラル・ヒッパーだった。


 次々とクイーンダム艦、EUF艦がゲートを潜り、最後にステイツ艦達が。


「これで最後か!!撤退準備!!」


 大鳳達がやってくるのが見える。

 もう少しだ。


「なぁ、夕張ィ!」


 ふと、ステイツ艦最後尾のサウスダコタが後ろの夕張を呼ぶ。


「おうどうした?」


「帰ったらやろう、つったら縁起悪いからな!!

 今やっておこうぜ、コレ!!」


 右手を差し出すサウスダコタに、おぉ、とすぐ夕張は右手をつかむ。


 いつもの、そして夕張の代名詞である友情の証だ。



「っしゃあ!!帰ろうぜ夕張ィ!!」


「いいぜ!!ダチ公!!!」


 そのまま右腕を掴んで駆け出すサウスダコタ。


 ゲートは目の前だった。






 思えば、


 この時点で気が緩んでしまっていたのかもしれない。






 左脇から、飛んでくる一体のD.E.E.P.

 気づいたアドミラル・ヒッパーが砲を構えるも遅く、



 ガシャァン!!




「あ……」


 夕張の義手もろとも、ヒッパーの身体もろとも、




 ゲートが、破壊された。




『!!!!』




 Aaaaa、と唸って翼を広げたD.E.E.P.に、




《OK!Torpedo!!》


「───ホォォォオアタァッッ!!!」



 右腕に出現させた魚雷発射管の一撃を放ち、破壊する。



「…………コイツ…………なんて事を……!」



 絞り出すように言う寧海の背後、呆然とした夕張が消えた右腕を見る。



「……マジか……!!」



 この場に取り残された全員が、消えたゲートを見る。


「悪い、サウスダコタ……!

 絶対お前……あっちで泣いてるよな……!!」



          ***





「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!?!?!」






 メキメキと、握っている右手が潰れるような勢いで夕張の義手を握りしめるサウスダコタさん。


「なんでだよ夕張ィ!!!!

 どうして、どうしてお前が……なんでェ!?!」


「…………」




 …………気持ちは、痛いほど分かるさ。



 だって、だって、


 まだ……残っている




 まだ……次元の向こうに、タシュケントさん達が……!!








 何もいえなかった。


 なんでこうなったんだとか、そういう事すら。


 この時、ボクは体力の消耗もあって…………


 気がついたら、気絶していた。






 当然、


 目が覚めても、タシュケントさん達は帰ってきていなかった…………









            to be continued ?
































          ***



 次元の向こう、谷間の様な道、




「チクショウ!!オレ達もう死んだも同然だってのに逃げてやがるんだぜ!?

 冗談でもねぇ!!」


「ソオブラジーテリヌイ、落ち着きなさい。

 もう面倒だから、ウォッカでも呑みながら大人しく走って、オゲェ!!思ったより気持ち悪……」


「同志二人とも落ち着いてぇ!?!

 って、同志寧海はどこに!?!?」





 取り残された一行は、皆が逃げていた。


 まだ残っているD.E.E.P.は追いかけてくる上に、走っている星が崩壊しているのだ。



「どうする……どうすればいい……!?」


「!


 まって、あそこ!!」


 ふと、大鳳の隣で夕立が声を上げる。


 指差す先には、谷間の出口の大きな水辺。

 そこには、また別の世界のフリートレスと、兵士の死体と、乗って来たボート、




 そして、水の中にブラックホールの様な、『時空の裂け目』がある。




「…………あの先が地獄だとしても、行くべきか……?」


「大鳳さん?

 ここより地獄じゃない場所ありませんわよ?


 あ、後呑んで走ってもう気分が地獄なのですけれどもオロロロロ」


「まったくガングートは……だが一理あるか!」


 温存していた艦載機を爆装し、飛ばして牽制をする。


「全員、あの船を使って移動するぞ!!」


『了解!!』


「じゃあ、コイツらの出番か!」


 ふと立ち止まる夕張。



《Single_Gun:ON》

《AA_Gun:ON》

《Depth_Charge:ON》


 夕張の腰の試製フリートライザーに装填されたデバイスのスイッチを押すと、夕張の右足に駆逐艦用の単装砲が、左腕に対空機銃、左足に爆雷投射機が現れる。



「行くぜ!カットインだ!!」


 カシャン、とベルトのレバーを引き、


《Single_Gun、AA_Gun、Depth_Charge、CUT-IN!》



「夕張全方位ボンバー!!!」


 酷いセンスの夕張の考えた技名と共に、全部の武装が火を吹く。


「うわっ!?」


 それは、夕張の方へ向かっていた皆にも降り注ぎ、


 この道の両脇も崩す。


「何をしているんだ夕張!?!」


 大鳳が叫ぶ中、夕張と彼女達の間が落石で塞がれる。





「悪い!!オレ遅いから追いつけそうにないからさ!!


 ……本当に悪い!!死んでも詫び切れねぇ!!」





 その言葉と共に、向こうで再び砲火が上がる。


「お前……お前ぇ!?!」


「大鳳さん!!こっち来て!!」


「ダメだよ!!」


 と、慌てて駆け寄ろうとした大鳳を、夕立と高雄が抑えた瞬間、




 ズバン、と岩の間から、蛇の様な動きで先端の尖った触手の様なものが飛び出す。





「!?」


 その攻撃を受け止めようとした高雄が貫かれ、なおも大鳳に迫った中、夕立が受け止め切れず貫かれる。


「……!」


 大鳳の目の前、


 夕立の腹部を貫いた、青い血を滴らせた先端がようやく止まる。




「グッ……!!」


 心臓の位置を貫かれた高雄は、無理矢理自身の腕の拳型艤装で触手を地面に押さえつけて止める。


「高雄……!」


「ゴメン……こんな簡単に……!」


 ガクン、と高雄が膝をつき、夕立の腹から触手の先端が抜ける。


「高雄……!?」


「ダメ……アレじゃ……グフッ!!」


「夕立喋るな!!」


 夕立の怪我が酷い。

 腹の穴を押さえて、歩き出す。



 後ろの高雄は、

 すでに事切れていた。



          ***


「よし、動く。行くぞ!」


 船は、東雲がエンジンをかけると動いてくれた。


「……どうやら、別世界の我々クラスノのボートみたいだ……

 ウォッカがある」


「良かった……いや、良くないわね」


 ふと、クラスノ艦陣営が、近くの惨状を見る。






 横たわる夕立の顔色は悪い。

 包帯ももはや気休めだった。


「…………時雨姉さん、」


「聞きたくない」


「聞いてください」


「聞きたくない!!!

 なんでみんな死の間際の言葉なんて聞かせるの!?!

 もうウンザリよ!!!何度目だと思っているの!?!」


「ごめんなさい……」


「謝んな!!!


 …………謝るぐらいならぁ……なんでぇ……うぅぅぅ……!!!」


 夕立の冷たい手を掴み、泣きじゃくる時雨。


 その横で、頭を抱えて俯く大鳳。


「…………姉さん、でも……仕方なかったんです……

 多分、私……『船霊』入ってないから……」


「またそう変なこと言う!!

 そんなの関係ないよ!!

 そんなの……あっても無くても……夕立は私の……妹なんだから……!!!」


「…………えへへ、嬉しいです、本当……」


 ゆっくり、夕立は真上の夜の様な空を見る。


「…………次の……わたしにも……そう、言って……」


 ふと、体の力が抜ける。


「……夕立?ねぇ、夕立?夕立ぃ!!!起きて、ねぇ夕立ぃ!!!夕立ってば!!!!」


 だん、と隣で大きな音が鳴る。


 見れば、大鳳が自分の頭を地面に叩きつけるよう、土下座の姿勢だった。


「すまない……!!すまない……!!」


 涙を流して、ひたすらに謝る。


 時雨は…………元から恨んではいないが故に、余計に悲痛な気持ちになる。



 その時、ボートが大きく揺れる。




「うわぁ!?

 危ない!!……ってん?」


 タシュケントが水面に立った瞬間、すいーと勝手に動き始める自分に気づく。


「吸い込まれ……あの時空に裂け目に!?」


『すまん、制御不能アンコントラーブルだ!!

 次元の穴に突っ込むぞ!!掴まれ!!!』



 東雲の無線より早く皆が掴まり中に入り、そしてボートとタシュケントが次元の穴に吸い込まれる。









『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?』


































          ***



「すまんな、夕張。助けるつもりはあったが……」


 崩れた谷の向こう、大量の水───D.E.E.P.の残骸の中心で青い血を流すボロボロの夕張の遺体に近づく影。


「私にも任務があった。

 せめて、形見ぐらいは届けてやる」


 カチャリ、と夕張の腰の試製フリートライザーを外すのは────華僑連邦共和国陣営の軽巡洋艦、寧海にんはい





「こちら寧海、リーファさん聞こえるか?」


 取り出す54式フリートライザー。





『───立花リーファだ。

 君がいなくなってから、こちらの時間では3日ほど時間が過ぎている』




 本来通信する相手のいない場所で、しかしそれは寧海曰く大陸の都会のビルの一室で、ふんぞり帰ってコーヒーでも飲んでいるであろう『女狐』へ繋がる。



「こちらは、事故後せいぜい2時間と言ったところか。

 元からやられたフリをして単独行動に移るはずが、こんな結果になるとはな……平海は?」



『不安そうに君の通信を心待ちにしているよ』


「なら安心しろと伝えてくれ。

 それでだが、例の別世界のフリートライザーの解析は?」


『順調だよ。面で回っているデータは有益だ。

 だが、恐らくは穴も多い。獅子心中の虫のやる事だからな』


「我々がそうじゃないのか?

 まぁいい、こちらの原本を送る」


 自分のフリートライザーに、拾った別世界のフリートライザーを繋げて、データを転送する。


『フフフ……我々こそ、そもそも国際連合軍最大の出資者なのだよ?

 そんな我々がなぜ世界の危機に協力するようなことをするのかね?』


「もっともらしい言葉だ。だが、やっていることは、こちらが裏切り者くさいぞ?」





と違って、必要な情報を信頼おける陣営に渡しているじゃあないか』




 アップロード終了。

 別世界のフリートライザーをしまう。


「胡散臭い話だ。だが、私も加担している以上は報告しておこうか。


 生き残ったフリートレスが、次元の壁を超えた。

 私の艤装の、彼女らのフリートライザーのデータによれば、」



『まさか、当たりの世界……!!』



「らしい。今まで以上のビフレストのビーコン反応が強い。まるで原型を留めているみたいだ。

 今から向かう。奴らには、形見も渡しておきたいからな」


『良いだろう。

 だが気をつけたまえ、くれぐれも君の正体や我々の事は、』


「秘密だ、だろう?

 どうせ次元を隔ててもフリートライザーで監視されてるんだ。

 馬鹿な真似はしないさ」


 艤装展開。

 そして歩き始める寧海ニンハイ


『我々、秘密調査部は、今回の一連のビフレスト事件に対して、内部の裏切りを確信している。

 どこから情報が漏れるか分からないが故に、』


「他陣営に先駆けてとっくに実用化した次元転移システムを使って、裏切り者より先にビフレストを見つけるんだったな。

 任務は分かっている。では向かうぞ。通信終わり」


 通信を切り、艤装の次元転移システムを作動する。


「見殺しにした負い目はある。

 助けてやらないとな……」


 青いエネルギーが球体状に寧海を包み、やがて浮かび上がり流星のように飛ぶ。


 そして、次元の壁を破るのであった。





            to be continued

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