第4話調教師の末路

悩みはまだあった、たとへ城に報告したとしてもその後、育成士は職を失い、噂により再就職もままならないと聞く。

「ねえ、父さん……本当に殺しちゃうの、助けてあげられない」

父はその不安で頭がいっぱいなのか、ネネットの顔を見て話す余裕はなかった。

思考を巡らしてるのか、ただ髭や自分の頭を撫でるばかりであった。

どうしたものかっと額の汗がことの重大さを物語っていたが、些細な変化をネネットが捉えることはなかった。

黒竜がくぐもった声でなく。

赤子特有のかわいらしい声だ。

「このドラゴンの子は、すでにわたし達から何かを感じてるのであろう」

大きく漆黒の目が父をまっすぐ見つめた。

ドラゴンの子といえど、両手で抱えればこの胸に納まってしまう大きさ。

育成士にとてドラゴンの子の誕生は、家に祝福と収入源の誕生を意味する。

一人、また一人生まれるたびに、恵みをもたらす。

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