第4話調教師の末路
悩みはまだあった、たとへ城に報告したとしてもその後、育成士は職を失い、噂により再就職もままならないと聞く。
「ねえ、父さん……本当に殺しちゃうの、助けてあげられない」
父はその不安で頭がいっぱいなのか、ネネットの顔を見て話す余裕はなかった。
思考を巡らしてるのか、ただ髭や自分の頭を撫でるばかりであった。
どうしたものかっと額の汗がことの重大さを物語っていたが、些細な変化をネネットが捉えることはなかった。
黒竜がくぐもった声でなく。
赤子特有のかわいらしい声だ。
「このドラゴンの子は、すでにわたし達から何かを感じてるのであろう」
大きく漆黒の目が父をまっすぐ見つめた。
ドラゴンの子といえど、両手で抱えればこの胸に納まってしまう大きさ。
育成士にとてドラゴンの子の誕生は、家に祝福と収入源の誕生を意味する。
一人、また一人生まれるたびに、恵みをもたらす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます