第2話瞳

父は何も応えなかった。

だがドラゴンの育成士はみな教えられる。

黒いドラゴンが生まれた年は戦が起きると。

「ねえ、父さん見て、ここ」

ネネットはドラゴンの足下を指さした。

黒竜の足は、足首から下が白く、まるで靴下をはいてる用だった

「ほら、ここは白いよ」

だが、父の顔色は変わらなかった。

「だめだ、こいつは紛れもなく黒竜だ」

「そんな」

心なしかドラゴンの表情が曇った。

瞳の大きいドラゴンは普通のドラゴンより目が発達しており、洞察力に秀でてるときく。

こちらの表情を読んでいるのだろう。

なみのドラゴンは、野生が強く、それ故調教も楽だが、瞳の大きいドラゴンは簡単にこちらの意図を呼んでしまうため、知恵が付くとまず、自分より力の弱い人間の言うことは聞かなくなる。

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