ソックスとネネット

濵明之介

第1話それは目覚めた

「ねえ、父さん見てよ」

「どれ」

「凄い綺麗な目をしてるよ」

「これは……だめだ」

「へ?、なんで父さん」

「目が大きいドラゴンは優しすぎる……、それにこいつは」

父はその肌を一撫ですると、それを大きく見つめた。

「こいつは、黒竜だ」

「黒竜って、それがどうしたの」

「黒竜は災いをもたらす」

「でもお母さんのドラゴンはホワイトドラゴンだよ、きっと羽や鱗は、生え替わるよ」

「いや、黒竜が生まれたからには、報告せなければならない」

「報告って、報告した後は」

父は黙って応えなかった。

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