第37話 朝田萌の本心

学祭で決める劇は一旦話は終わり次は出し物の話が始まろうとしている。

俺のクラスの出し物は男装喫茶になった。

誰が男装をするのかを決める。

全員男装はさうがにできないので数人男装その他は裏方をする。

まなは劇の話から出し物の話を始める。

「では次は出し物です。私たちがするのは男装喫茶という事で男装をするのは誰にするのか裏方はなにをするのかなどを決めます」

この出し物はかなり女性が人気ですごく楽しそうな顔をしている。

「はいはい!私男装したいです~!」

早速うちのクラスの女子がやりたいと言い出す。

俺はやりたい人の名前を書き始める。

かなり男装をしたいと言う人は多く残り一人となった。

「では、最後一人やりたい人いませんか?」

「はい。私やりたいです」

その時俺もまなもクラスの人たちも驚いた。

手を上げたのは朝田萌なのだ。

彩香先生は少し微笑んでいる。

「わかりました。ではこれで男装をする人は決めましたので終了です」

かなりみんな珍しくて驚いてはいたがまなは話を続けた。

そして裏方の役割なども決め徐々に学祭の準備は進んでいた。

チャイムはなり学祭の準備も終了した。

帰りのホームルームも終わり皆帰宅をしようとしていた。

俺はなんで男装をしたかったのか気になり萌に話しかけた。

「よう、お疲れ」

「ん、あ~うんお疲れ」

あまり元気がないのか冷たい感じで返された。

「どうして、男装をしようと思ったんだ?」

「そんな深い意味はない。ただ興味があっただけ。じゃあね」

そう言って萌は教室を出て行った。

「なんだあいつ」

「朝田さんなにかあったのかしら」

まなもまだ帰らず教室に残っている。

「まなも思うか?」

「えぇ、今日はあまり元気がなかったわ」

「だな」

「まだ体調が良くないのかしら」

まなは本当に変わった。前ならどうでもいい感じだったのに今は他の人を気にするようになった。

「なんだか、変わったなお前」

「え?」

「前ならそんな事言わなかっただろ?。なのに今は気にしたりして」

「な、なによ。急に!ただ同じクラスとして気にしただけよ」

「はいはい」

まぁ、その事時点で変わっただけどな。

許嫁という形で三人は関わり始めたけどまなはむしろよかっただろうな。

俺もまなもその後学校を出たんだが俺はどうしても気になり萌の家に向かった。

「昨日来てまた今日もきたら変だよな」

俺はそう思ったがチャイムを鳴らそうとした瞬間。

「誰だ」

後ろから低い声をだした男が俺に声をかけた。

このオーラ間違いなく萌の父さんだ。

俺はゆっくりと恐怖を感じながら向くと。

「なんだ!賢じゃないか!どうしたんだ!」

先程のオーラはなくなり明るい人になった。

本当にすぐ態度変わる人だな。

「お仕事お疲れ様です。実は今日萌はあまり元気良くなかったので大丈夫かなと家に来たんですけど。時間も遅いですし帰らせてもらいますね」

「何を言う。娘のために来てくれるなんて優しい男だな。今日はうちでご飯食べるといい。さぁ、入って入って」

「え、ちょっとお父さん?!」

と言うわけで俺はまた萌の家に来てしっまった。

「それで、なんで賢がうちに来てるの?」

少しキレぎみで言い出す萌。

「萌!賢はな!お前の為に来たんだぞ!」

「え?てかいつの間に下の名前で呼ぶようになったの」

それは俺も思いました。

「でも、そうなの?賢」

「ん?まぁね」

「そう」

少し笑顔になる萌を見て俺は元気なのだとわかった。

これで少しは安心した。

食事を済ませまた萌は途中まで行くと言い出し今二人でいる。

「しつこいかもしれないけどなんで男装なんてしようとしたんだ?」

「またその話?」

「すまん」

しつこい男だと多分思われているのだろう。

だけど俺が今までかかわった感じだとそーゆのはやらないタイプなのでなにか理由があるのではないのかと思ってしまう。

「そうね。実は私あまり自分からこーゆ事しないタイプなのはあなたもわかっているでしょ?」

「うん」

「でも、最後せっかくだし私らしくない事もしてみようかなと思ってね」

「そうなんか」

「うん!だからした!」

「最後ってどーゆ事だよ」

「最後だよ。賢も桜さんも七瀬さんも後輩二人もね」

「だからなんで!」

俺は何故最後なのかがわからない。どうしてまだ一年あるのにだ。

「それは今年学祭終わったら引っ越すの」

「え?」

「引っ越すってどこに?」

「北海道」

「ほ、北海度?!」

「そう、お父さんの仕事の関係でね」

急すぎて頭に整理がつかない。

「なら、許嫁は?どうするんだ!姉さんのためとか言っていなかったか?」

俺が言うと萌は微笑んだ。

それは今まで見なかった微笑み。

全てが嘘だよと言っているかのような表情。

「許嫁は無し!やっぱりあなたの言う通り私が勝手に言っただけだしね。あなたのお姉さんには感謝している。だから何かしらの形で必ず恩返しをする」

「なんで急についこないだまではそんな事」

「いいんんだよ。もう、私は学生生活で多分今年が一番楽し生活をしていたと思う。賢に会って雄二くんと付き合って友達もできて。すごく充実した生活をした。」

萌は嘘では言っていない。本心で言っている。

「後は学祭で楽しく過ごせばもう十分だよ!」

「そ、そうなのか。俺は止める事もできない。だからこれだけは言う。俺もお前と出会えて本当によかったよ。最初は許嫁とか言い出して驚いたけどなんだかんだ楽しい生活を送れたのも萌のおかげだと思っている」

「な、なに急に」

「いや、俺も感謝しているからさ。最後学祭盛り上げてさ学祭終わったら同好会全員でご飯食べに行こうぜ!」

「そうね。賢は優しい人だよね。だから…」

「急にどうした」

「今だけ本心で言わせて。ありがとう」

そう言って俺に近づき抱きついてくる。

俺は驚いたしなにも言えずにただそのままだった。

きっと引っ越すのは嫌なんだろう。

それは俺と離れることではなくみんなと離れる事だからだ。

また一人になる事が嫌なんだろう。

だから俺にできることは今を楽しませる事なんだろう。

萌は俺から離れて笑顔で返した。

「ありがとう。また明日ね」

そう言って家に帰って行く姿を見た。

私はもしかしたら賢の事を好きになったのかもしれない。

だけどそれは出してはいけない。

何故なら賢は桜さんが好きだから。

賢はわかっていないだけで賢は桜さんが好き。

そして桜さんも好き。

桜さんは転校初日から賢の事が好きだった。

それは私が見てもわかる。

何故なら私が雄二君を好きって言う表情と同じ顔をしていたからだ。

きっと学祭終わったら二人は付き合い始めるだろう。

その運命は誰も止めてはくれない。

俺は帰宅をした。

「ただいま」

「おかえり~」

どうやら姉さんはすでに帰宅をしていたらしい。

「姉さん」

「ん?」

「萌と許嫁無くなった」

俺は真剣に言うと姉さんは「そうなの」と答える。

「うん」

俺は自分の部屋に行こうとした瞬間。

「賢。ありがとうね萌と仲よくしてくれて」

「別に。俺も楽しかったしさ。俺も感謝しているんだ」

「そう、ならよかった」

「うん」

俺は自分の部屋に行きベットに横になる。

俺は目をつぶり過去を思い出す。

出会いは屋上だったな。

許嫁だと言われ許嫁が三人だとわかった瞬間あの時は色々ありすぎて復習してやろうと思っていたけど皆裏だったのかもな。

裏の姿で三人ともかかわっていたんだなと思った。

ほんと俺もあいつらもバカだな。

そのまま眠ってしまい翌日の朝。

いつも通り学校に行き席に着く。

隣にはいつも早いまながいる。

「おはよう」

「おはよう」

最初は挨拶もしなかった俺たちが当たり前のように挨拶をするようになった。

「おはよう。賢、桜さん」

俺とまなに挨拶をしてきたのは萌だった。

「おはよう」

「おはよう」

「うん」

そう言って自分の席に着く。

「もう、大丈夫なのかしら」

「あぁ、大丈夫だ」

「そう」

まなは思い出したかのように俺に話しかける。

「そういえば今日同好会あるって言ってたわよ」

「そうなのか。久しぶりだな」

「だね」

「萌にも言ってわないとな」

「それなら心配いらないわ朝田さんならもうすでにあるって知っているから」

「なんで」

「グループ連絡ってのがあるのよ」

「は?俺そんなのあるってしらなかったんだが」

「当り前よ。賢以外にしかしらないもの」

「ふざけるなよ!俺も入れろ!」

「仕方がないわね。招待しとくわ」

「頼む」

放課後

「皆さんお久しぶりっす!!!!」

「久しぶりだな。咲」

嬉しそうな顔をしている咲。

「お久しぶりです。賢先輩」

「久しぶり沙夜」

「賢ちゃん!私も久しぶりなのになんで久しぶりって言ってくれないの!」

くるみは少しほっぺを膨らませながら言う。

「あ、忘れてたわ!」

「ひどい!!」

「それでなにするのかしら」

まなは本を読みながら咲に訊く。

「それはすね!今日は出かけに行って青春写真を撮るっす!!」

「青春写真?」

「そうっす!。食べ歩きしたいっス!」

つまり咲は普通に食べ歩きを皆でしたいってことか。

まぁ、別に悪い話ではないので断る理由もない。

「いいぞ俺は」

「えぇそうね」

みんな許可をしたあのでさっそく食べ歩きをしに行く。

町にを眺めるとたこ焼きやパフェなどいろいろ食べ歩きできる食べ物がある。

「賢ちゃん!よく昔二人で食べ歩きしたね」

「ん?そうだな」

「そうそう。あの時たこ焼きが食べたくて賢ちゃんが買ってくれた時とか。甘いの食べたくてパフェ買ってっくれた時とか」

「なんか俺結構買わされてね?」

そんな話を二人でしていると後ろからまなと萌の会話が聞こえてくる。

「そう、引っ越すの」

「うん」

「北海道かなり遠いわね」

「そうだね。飛行機で二時間かけて行くし」

「北海度行っても元気でいなさいよ」

「うん。ありがとう。本当に変わってね桜さん」

「まぁ、こんなはずじゃなかったのだけど」

「桜さんの本心を訊きたい」

「え?」

「桜さんは本当は優しくて友達も欲しくて賢とも付き合いたいと思っているんじゃないの?」

まなは顔を赤くして「な、何をいいだすの!急に!」

俺は周りの声もあってよく聞こえてはいない。

「そうじゃないの?」

萌は真剣な顔をしながら言っているの感じでまなはため息をしながらも本心をだす。

「えぇ、そうね」

「やっぱり」

「私は、転校初日緊張したわ。どんな人なのかすごくわくわくもした。あの時私じゃなくして性格悪い女を演じた。それは友達とかもほしかったけど賢との距離を縮めるには友達がいたら賢と仲良くなるのは遅くなると思ったからよ」

「そうなんだ」

「えぇ、最初は良かったわ。友達はいりませんと言ってしかも席が隣で嬉しかった。だけど隣に近づいた瞬間緊張してつい賢にまで性格悪く接してしまったわ」

「うん」

「それからすべてが狂ってしまい。今の今までこの性格で演じているのよ」

「そうなんだね。でも賢は急に変わったからって桜さんを嫌いになったり避けたりはしないよ。むしろ良くなるかもね」

「え?それって」

「まぁ、自分の気持ちをだしな。学祭終わったら。きっとうまくいくよ」

「朝田さんあなたもしかして」

「さぁ、何食べる!桜さん!」

まなは察した萌が賢を好きになっていた事をそして賢はまなを好きだってこともだ。

「そうね。朝田さん今日は私が奢るわ」

「本当に!?ならなに食べようかな~」

俺は二人が仲良く話しているところを見て少し嬉しく思った。

俺の袖を引っ張ってくるくるみ。

「なんだ?」

「パフェ買って!」

「そんな可愛い笑顔見せられても買わんぞ」

「な、可愛い笑顔って」

少し顔を赤くするくるみ。

こうして俺たちの同好会は終了した。

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