第33話 俺のクラスに人気作家がいる

そして翌日俺は学校に着き。

まなに話しかけた。

「ちょっといいか?まな」

こちらを振りむいた。

「なにかしら。朝から」

今日は昨日とは違い普通だ。

深く深呼吸をして頭を下げた。

「ごめん!俺、実は全然問題解けなかったんだ!」

「あれだけ教えてもらったのに当日忘れてしまった」

俺がまなに頭を下げている姿をクラスのみんなは俺たちの方に視線を向ける。

クラスのみんなはざわつき始める。

『え?あれって坂木くんだよね?』『なんで桜さんに頭下げているの?』

『ほら、噂では桜さんの坂木くん付き合っているとか』

お、おい!。誰だよそんな事言った奴!!!。

俺はクラスの女子がぼそぼそと聞こえない声で会話しているが、教室は静かになっているため会話が目立つ。

そして次は男子らが会話し始める。

『坂木ってたしか幼なじみのくるみちゃんいたよな?』「あ~いたいた噂で聞いたんだけど付き合っているとか」

お、おい!、なんで次はくるみと付き合っているなんて噂があるんだよ!!。

『え、てこと二股?』

『あいつクズだな』

なんかどんどん話がおかしくなっていく。

俺誰とも付き合ってないし。

ただ、テストが難しくて全然解けなかったから謝っているだけだし。

「は~、朝から騒がしいわね」

まなはため息をしながら呆れている。

「別にいいわ。どうせあなたに期待はしてないから」

俺に呆れた顔で言ってきた。

ていう事は許せてもらったのか?。

まなは読書の続きを始めた。

クラスのみんなは俺たちがなんの話をしていたのかがわからず呆然としていた。

そんな時ドアが開き彩香先生が来た。

「はい、みんな席に着いて~!」

クラスのみんなは席に着き先生の方に視線を向ける。

「テストも終わり学祭が始まります!」

先生が言うとクラスのみんなは騒ぎ始める。

学祭か、去年はくるみと雄二と回ったな。

「そんなわけで学祭の委員長と副委員長を決めてもらいます!」

「あ、そうそう今日は朝田さんおやすみね。体調が悪いからだそうです」

今日休みなのか、昨日元気だったのだが。

「ということで、坂木くんプリント朝田さんの家まで届けてくれない?」

「は?」

え、待て。なぜ俺が届けなければならないのか。

「実は朝田さんからのお願いなの」

え、なんで俺がプリントを渡しに行かなければならないのだ。

しかも、俺に頼んだのか萌は。

「わかりました」

クラスのみんなはまた変な噂を言い始める。

『そーいえば朝田さん前坂木と付き合っているとか言ってなかった?』

『あ~言ってたな。て事は三人?!』

『クズにも程があるだろ』

たしかに三人付き合ってはいないが許嫁ではある。

まぁ、許嫁よりはましか・・・いや、ましじゃなくね?。

そんな噂を言っているのにも関わらず平然としているまなかっこいいす。

ざわつき始めると彩香先生が手を三回叩いた。

「はいはい、騒がないで委員長決めるよ!」

「え~とじゃあ、やりたいって人手を上げて」

誰も手は上がらない。

そりゃあ、そうだろこんな面倒な仕事したくないもんな。

「困ったな。これじゃあ先に進まない」

彩香先生は困ったと動作をしながら俺の方を見てきて目をパチパチとしてくる。

おい、まさか俺にしろとか言っているんじゃないのか?

俺はクラスのみんなと別に仲がいいわけでもないし前に立って何かをするわけでもない。

「朝田さんでよくない?」

「あ~そうだね」

「先生、朝田さんにしません?」

クラスのみんなは今日学校を休んでいる萌にしようと言っている。

だが、本当にいいのか?勝手に決めて。

「先生私がやります」

俺の隣の席から声を上げた。

まな⁈

「え?それはやってくれたらいいけど」

彩香先生も少し動揺している。

まさか、まなが自分で立候補するとはな。

俺も思わず声が出そうになった。

「それじゃあ、次は副委員長きめるよ」

これは俺もするしかないだろ。

俺も手を上げた。

「先生俺がします」

俺が言うとまなが驚いていた。

彩香先生は少し微笑んでいる。

クラスのみんなは呆然としている。

「よし、これで決まりね」

先生が拍手をするとクラスのみんなも拍手をした。

「頑張れよ」

「桜さん頑張ってね」

クラスの人たちが俺たちを応援する。

少し照れくさいが悪くはない。

「恋人どうし頑張れよ」

ん?ちょっと待て、今とんでもない事言わなかったか?

「はいはい、それじゃあ委員長と副委員長は前に出て進めてください」

先生はそう言って自分の席に座った。

俺が黒板に案を書いてまなが話を進める。

「それじゃあ、私たちは何をするのか決めましょ」

「何かやりたい出し物ありますか?」

そう言うとすぐさま手を上げた男子。

「やっぱりここはメイド喫茶でしょ!」

「そうだ!そうだ!」

男子は嬉しそうに意見を尊重する。

一方女子は「あんたただのメイドが好きだからでしょ?」

「それが何が悪い!」

そして言い合いが始まる。

「静かにしてください」

まなが言い合いを止めた。

「たしかにメイド喫茶は女子が嫌だと言ったらできないわよね」

女子はまなが言った事を頷く。

「なら男子がメイド衣装を着ればいいと思うのだけれど」

「はぁ⁈ちょっと待ってくれよ!わかったメイド喫茶はやらなくていい!」

男子は焦りだしやめようと言い出す。

「俺は少し興味ある」

「お前はなにを言い出すんだよ!」

まぁ、一人はやりたいと言い出す人もいた。

ということでメイド喫茶はなくなった。

「私は男装喫茶した!」

「おぉ!いいね!」

どうやら女子たちは共感をしている。

男子は『それはそれでいい!』と言っている。

「それじゃあ、私たちの出し物は男装喫茶と言うことで決定しました」

「先生次は何を決めればいいですか?」

まなが聞くと先生は眠そうな顔をしていた。

「先生?」

二回話しかけると目を覚ましたのか慌てている。

「えぇ!終わったの⁈」

「はい」

「それじゃあ、次は何の劇をするのかを決めてくれる?」

そう、俺らの学校では一日目は出し物二日めは劇となっている。

なお、一日めは個人で活動しているバンドや学祭だけやるステージ発表などもあるが。

俺は去年熱をだして学祭に出られなかったから今回が初めてだ。

まなも転校して今回が初めてだし、普通はやった事がある人がしたほうがいいのではないかと思ってしまう。

「やっぱり今回はオリジナル劇が良いと思うだけど」

女子が言い始めた。

「え?オリジナル劇?」

「うん、だってもし同じのかぶったら嫌でしょ?」

「たしかに」

「それに私たちのクラスには人気作家さんもいるし!」

『えええええええええ!!!!』

一人の女子だけが知っていたのかみんなが驚き叫んだ。

「そ、それ本当なの⁈」

まなが興味津々なのかぐいぐいくる。

「え?うん」

言い出した女子も少し驚いている。

「誰⁈」

「え~と今は休んでいる」

「桜さんの前の席。新藤 麗奈しんじょう れな

たしかに新藤さんはあまり学校に来ない。

一週間に三回程だ。

あまり人とは話さないし何故この女子はその事を知っているのかが不思議で仕方がない。

「私会ったことがないわね」

「たしかに、桜さんが転校した時から麗奈来てないもんね」

「で?あなた名前教えてくれない?」

まなは先ほどから話していた作家だと知っている女子に名前を聞いた。

「えぇ!ひどいよ桜さん。私一番先に話しかけたのに」

「悪いわね。人の名前忘れやすいの」

「でも、仕方がないよね。あの時すごく人に興味なさそうだったしそれに友達作らないって言っていたもんね」

「今もそうよ」

「いや、今は少し変わったと思うよ」

「・・・」

まなは黙りこんだ。

「私の名前は 生田 桃恵いくた ももえだよ」

「生田 桃恵」

まなは名前を言いだした。

「そう、よろしくね」

「でも、桃恵ちゃん新藤さん学校来てないし無理じゃない?」

クラスの女子が言った。

たしかに新藤さん最近は学校に顔を出さない。

「私が今日家に行ってみるよ」

「えぇ⁈桃恵ちゃん新藤さんの家知っているの?」

「うん」

「まじかよ」

男子も話に混ざった。

そしてチャイムが鳴った。

先生は睡眠中だ。

俺は先生に近づき先生の肩を揺らす。

「先生。先生チャイムなりましたよ」

目を少し開き学校で寝てたことに気づきすぐさま立ち上がった。

「はい、今日はここまでです」

切り替え早!さすがっす。

そう言ってあくびをしながら教室に出て行った。

そしていつも通り授業が終わり放課後。

俺は帰りの準備をしているとまなはしたくをすぐ済ませていた。

コイツいつも俺よりしたくするの遅いのに今日は早くないか?

まなは生田のところに行った。

「私も連れてってくれない?」

「え?」

生田は驚いた表情をした。

俺ももちろん驚いた。

まさか、まながストレートに言うなんて。

いつもなら遠回しに相手をバカにしながら言うことしかできないまなが素直に言うなんて。

生田は少し戸惑ってもいたがすぐに返事を返す。

「いいけど・・・」

なにやら俺の顔を見てくる生田さん。

「坂木君も来てくれない?」

「え⁈俺も⁈」

「うん、桜さんと二人は少し気まずいし」

いや、本人いる目の前で言うあたり恐ろしい。

でも、まなは何を言われても平然としている。

「そ~ゆことだから。賢行くわよ」

「いや、そ~ゆことだからじゃねえよ!」

俺がすぐにツッコミを入れる。

「いいから行くわよ」

これは行かないと殺されるパターンだ。

俺は言う事を聞き一生に新藤さんの家に行くことにした。

そして三人で新藤さんの家に向かいながら会話をした。

「思ったんだけど坂木君と桜さんって付き合ってたりするの?」

唐突に言ってくる生田さんに俺は驚いた。

「んなわけねえだろ!だいたいクラスの連中も誤解しているし」

俺が返すと生田さんは「へー」と信じていないのか疑っている顔をしている。

「桜さんは?そうなの?」

「えぇ、別に付き合ってはないわ」

「付き合ってはないの?ならなんなの」

こいつ、まさか許嫁とか言うんじゃないだろうな。

三人で話していると新藤さんの家にたどり着いた。

俺、いや、まなも驚いた。

「なんじゃ!このでけー家は!」

まさによくみるボンボンの家だ。

金持ちの家にしか思えない。

家の前に止まると監視カメラらしきものがあった。

おそらく誰が来ているのか正確にハークをするのだろう。

生田さんがチャイムを鳴らした。

「はい」

「こんにちは同じ学校のクラスメイトの生田桃恵です」

「麗奈さんはいますか?」

「中に入ってください」

そう言うと門が勝手に開き始めた。

いや、なにもかもがヤバすぎる。

門が開き俺たちは中に入った。

庭も広くて驚きだ。

「こんにちは麗奈の母です」

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